パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

秋の夜長は・・・その3

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いい音楽を楽しんだあとは読書でしょうか。難しい本もいいですが、自由に旅行にいけない身にとっては

旅の本が心を浮き立たせてくれます。

多くの方が熱烈に支持している沢木耕太郎氏の「深夜特急」。私も繰り返し読んでおります。バスに乗っ

て陸路で行くことはできなくても、せめてその足跡の何分の一でもたどれたらなあ、などと夢見ておりま

す。

怖そうなおじさんが写っている本は、沢木氏が1974年にたどったルートを、ルポライター西牟田 

靖 氏が四半世紀後に「深夜特急」の記載を元に、陸路でたどった旅の記録です。

写真も豊富で、とても楽しい本です。ただ、沢木氏の旅と異なるのは、西牟田氏が旅をした時点ではアフ

ガニスタンに入国できず、アフガニスタンを迂回してパキスタンからイランへ直接入国するルートをとっ

ています。

青い冊子は2001年2月に東京・世田谷文学館で開催された「沢木耕太郎の旅展」の図録です。この展

覧会は、「深夜特急」の旅を中心とする沢木氏の旅と仕事を、原稿・メモ・書簡などの資料と旅先で撮影

した写真など約180点で紹介する、いわば沢木氏の個展でした。

この図録にも「深夜特急」に登場するさまざまなエピソードを物語る「実物」が掲載されています。

たとえば…

・香港仔(アバディーン)で出会った7・8歳の「中国版ベティちゃん」こと陳美華ちゃんが書いた「陳

 美華 湖南街」の切れ端のメモ(文庫本第1巻 123頁)

・インド、ブッダガヤ近郊のアシュラム(孤児院)での生活で出会った子どもたちやサリー姿のイギリス

 人のキャロライン先生の写真(第3巻 101頁~)

・今となっては通るのが困難なジャララバードからカブールまでのアフガニスタンの「絹の道」の景観

 (第4巻55頁)

・イラン・イスファハンのバザールで老獪なイラン商人から再三の駆け引きの末、やっと手に入れた懐中
 
 時計(第4巻166頁)

etc.

この図録を見るだけでも沢木氏の旅が生き生きとよみがえってくるような気がします。