パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

イスタンブール 散歩行 11 エジプシャン・バザール

(転勤のための引継ぎなどドタバタしていてなかなかアップできませんでした。気長に続けていきます)

 グランバザールの見学を終え、手に入れたアクビルを早速活用してトラム(トルコ語ではトラムヴァイ)に乗って今度はエジプシャン・バザール(スパイス・バザール)を目指す。下の写真のように改札機の丸いところにアクビルのボタンを押し付けると料金と残高が表示され、バーが開き停留所の中に入ることができる。

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 ヨーロッパサイドの旧市街を走るトラムは立派なもので2両連結の新しいものだ。スピードも結構出ている。観光客には頼もしい見方である。

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エジプシャン・バザールはトラムの停留所ではエミノニュで降りるのが一番近い。停留所から地下道を通って海側と反対側に出ると広場につながっており、写真で見慣れた建物の入り口が見えてくる。

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 グランバザールでは感じなかったが、こちらは入り口を入るとツーンと鼻をつく匂いがしてくる。文字通りたくさん店で香辛料を売っているのでその独特の香りがたちこめているのだ。昔エジプトから輸入したスパイス類を売っていたことからバザールの名がついたそうだが、今でも香辛料や干した果物、豆類など食料品を売る店が多いようだ。

 グランバザールに比べると規模は小さいが、どちらかというと地元の人向けらしい。そのせいか、通路が狭くてもグランバザールほど賑やかに声はかけてこないようだ。建物の周りに食料品を売る店がたくさん並んでいる。

 昼過ぎになっていたので、エミノニュ側の入り口を入ってすぐの2階のレストランで食事することにした。ここは2階の席からバザールの通りを見渡すことができるため、食事よりも写真を撮るのを主目的に選んだのだ。

 ところが、店内に入ると白い制服を着たボーイがたくさん立っていて、テーブルにも白いクロスがきちんとかけられている。どうやら小生には少し場違いな店だったようだ。

 目的の席に座って写真を撮ることはできた。料理のほうは卵と肉をつかったナントカというお薦め料理とビールを頼んだが、一皿料理が20YTLもする。日本でも一人で食事をするときに2000円もする料理を食べることないのに…と内心でぼやきつつ料理を食べ、目的の写真を撮り終えたのでデザートも頼まず、そそくさと会計した。
 結局ビールと料理一皿でサービス料込みで29YTLもかかってしまった。味は悪くはなかったが、高い値段なら当然だ。予算を大幅に超過し、トルコの物価高に愕然としながらバザールをあとにする。

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 バザールの目の前は広場になっており、地下道を通って海側に出るとフェリーの船着場やガラタ橋につながっていく。

 海側のエリアをぶらぶら歩いていると、数張りのテントのあたりで大きな声が聞こえてくる。最初は聞き取れなかったが、耳が慣れてくると「ブリョッ!ブリョッ!ブリョッ!…」と繰り返しているように聞こえてきた。

 その男性は民族衣装風のチョッキを着て道行く人に声をかけているようだ。近づいてみるとテントの中に小さなテーブルと椅子があって、客がなにやら食べている。テントの向こうの岸壁には装飾のついた船の中で魚を焼いており、煙がもうもうとたっている。…イスタンブール名物のひとつサバサンドを売る船なのだ。

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 エジプシャン・バザールのレストランでは値段が高くて動揺してしまったが、サバサンドなら安くて気軽に楽しめそうだ。早速「ブリョッ」おじさんに声をかけ、指を1本立てて注文する。ひとつ3YTL。やっぱり小生にはこうしたB級グルメがお似合いのようだ。

 トルコはエキメキ(パン)がおいしいといわれるが、そのフランスパンみたいなエキメキに焼いたサバとたまねぎを挟んだだけの素朴なものだ。これに塩とレモン汁(壜入り)をかけて食べるのだ。テントの中の小さな椅子に座ると、ボスポラス海峡から(?)吹いてくる汐風の香りとサバの焼ける匂いが一体となって、異国情緒をいっそう盛り立ててくれる。

 近海のサバなのかな?と思っていたが実際はノルウェーあたりから輸入したものらしい。玉ねぎは生だった。これがトルコ風なのだろう。

 ようやくトルコらしい食事を楽しめ、イスタンブールに来たのだ!という実感が胃袋からも沸いてきたようだ。

 ※「ブリョッ…」はどういう意味なのか?ワタクシの想像では…。
 トルコ語で「どうぞ」という意味の「ブユルン」という言葉があり、バザールで店員が「ブユルン!ブユルン!…」と客に声をかけている。さしづめ、「さあ~いらっしゃい!いらっしゃい!」という意味なのだろう。これが早口で繰り返すうちに訛って「ブリョッ!」になったのでは? 日本語でも「(い)らっしゃい!」と変化するように。