1月3日 デリー 1日目
1月3日、10日以上もゴロゴロしていたバラナシを離れるときが来ました。
ホテルやどの観光地を回るかは、バラナシに来てから考えよう…と思っていたのですが、バラナシで毎日人が焼かれるのを見てガートを散歩しているうちに、ワタクシの脳も天竺のリズムに同調したのか、次の行先についてなあ~んにも考えないままにバラナシでの日々が過ぎていきました。
そんなある日、バラナシのホテルの滞在も数日過ぎてホテルのスタッフとも顔なじみになってきたころ、フロントのボスが雑談の中でこれからどこを旅するのか訊いてきました。
ワタクシがなんにもまだ考えていない、と答えると「せっかくインドに来たのだからいろいろインドを見るべきだ」とありがたいアドバイスがありました。
さらに、もともと旅行代理店も併営しているホテルですのでボスから次のような提案がありました。なあ~んだ…。
その提案というのは…
しかも飛行機以外の移動はすべてタクシーをチャーターするものでした。
この旅程は日本に帰ってから調べたら、デリーを中心にする人気の定番コースでした
つまりデリーの空港に着くと、そこからデリーのホテルへの移動から他の街を観光して再びデリーに帰り、コルカタ行の飛行機に乗るためのデリーの空港までの移動まで一切を同じ運転手のタクシーで行う、という提案でした。
ツアーの代金は、ホテル代6泊分(全朝食付き)、デリー空港の送迎も含め、全行程のタクシーのチャーター代合計で日本円に換算して約6万円だといいます。
ホテルは今泊まっているホテル並みのホテルというので、1泊4000円から5000円程度とすると、タクシー代が3万円程度。1日にして5千円程度…。これでワタクシの希望するところはどこへでも行く、といいます。
すでに左足の足底腱膜炎がかなり痛みを伴っていたワタクシにとっては歩く負担がかなり減る、という肉体的にはありがたい提案ではあります。
ただし、すでに予約してあるデリー・アーグラー往復の鉄道は無駄になってしまいます。あたらめて切符を見ると往復での日本円にすると合計1590円…。
結局、当初の鉄道を利用した旅よりは高くつきますが、体調のことを考えてボスの提案を受けることにしました。相場が分かりませんが、高すぎるということもなさそうです。
ちょっと贅沢ですが、運転手つきの車でインドを走るなんてことは、二度とないだろうからと自分に言い訳して決めたわけです。
1月3日午後、当初は顔の区別もつかなかったホテルのスタッフと別れを惜しんでからチャンドラ・ボース空港へ車で向かいます。
市街地は道路に人とリキシャが溢れ、なかなか進みません。運転手が盛んにクラクションを鳴らして進もうとします。
渋滞を織り込んで早めに出発したのですが、1時間以上かかってやっと空港にたどり着きます。
しかもあのエア・インディアです。
空港に着いてエア・インディアのカウンターに行くとまだ手続きが始まっていないようでした。男性の係員が、時間になったら教えるからそばで待っているようにと親切に教えてくれます。
コルカタの空港で搭乗するのは初めてなのでウロウロしていると、さっきの男性係員がやってきて親切にいろいろ教えてくれ、機内持ち込み荷物のX線検査まで手伝ってくれ、チェック・インも助けてくれます。
…親切にありがたいことだ、これもガンジス河で足だけでも沐浴したおかげだ…などと間抜けなことを考えていたら、くだんの男性係員からしっかりチップを巻き上げられてしまいました。
考えてみれば、どこの空港でも自分ひとりやっていたことばかりなのに、つい彼のペースにはまってまんまとチップを払わざるを得ない状況に追い込まれたわけです。
カウンターの職員がチップを求めるなんてありえない、と思い込んでいたワタクシが甘かったといわざるを得ません。やはりインドはなんでもありなんですね。
無事予定通り、デリーに向けて出発します。機内放送はナショナル・フラッグらしく伝統衣装を着こんだ女性が安全装置の説明をします。
バラナシからデリーまでは1時間ちょっとの飛行ですが、LCCと違って茶菓子が出されました。味は…あまり印象がなかったですね。
LCCのCAが軽快な洋装だったのに比べ、ご覧の通り伝統を重んじるエア・インディアのCAはサリー姿です。
でも緊急時は仕事がしにくそうに感じますが、どうなんでしょうね。試したくはありませんが…。
無事、デリーのインディラ・ガンジー空港に到着します。
迎えの車をめぐってはひと悶着がありました。
事前に行動を共にする運転手の携帯電話番号を聞いていたので、出発当日チャンドラ・ボース空港から彼に確認の電話を入れたところ「空港送迎は聞いていない、自分は翌日のデリー観光からしか担当しない」と主張したのでした。
バラナシのホテルのボスからは「最初から最後まで一人の運転手が担当する」と聞いていたので、その旨を運転手氏に伝えても、それは自分のあずかり知らない話だとあくまで2日目の観光からだと言い張ります。
やむなくバラナシのホテルのボスに連絡し善処を依頼します。
これらのやり取りを慣れない英語で、しかも電話でするので、それだけで足底腱膜炎がさらに悪化しそうでした。
結局、彼の主張が正しいことがわかり、今日の送迎はホテル側が手配していることが確認されました。
無事空港で運転手と出会い、ホテルへ向かいます。
ホテルはニュー・デリー駅やメイン・バザールに近い通りにありました。
誤解がないように申し上げますが、これらのホテルはまっとうなホテルばかりであります。ワタクシが泊まったのは縦に看板がきらめいているGODWIN DXというホテルでした。
でもあらためて写真を眺めると、どう見ても鶯谷の雰囲気ですね。