パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

イスタンブール散歩行 5 ホテル到着

 ようやくホテルに到着した。チェックインを済ませ部屋へ。部屋は2階。イスタンブールではイギリス式の階の数え方なのでFirst floorということになる。

 ホテルの名前は SUR HOTEL。 SURは「壁」という意味らしい。ヨーロッパサイドの旧市街、マルマラ海に近いエリアに位置する10部屋しかないごく小さな経済的ホテルである。
 一泊朝食込みシングルで料金は30ユーロ。ドミトリー形式でないホテルとしてはイスタンブールでは一番安いクラスのようだ。

 安ホテルなので部屋は広くはないが天井は高い。トイレ・シャワー・洗面台・小さな冷蔵庫・タンス・テレビ・暖房機(温水を通すものらしい)小机そしてダブルベッドと最低限の設備はあるようだ。バスタオルと小タオルは2人分。石鹸は小さいのが2つ洗面台に置いてあった。ホテルでは寝るだけなのでこれらで十分ではある。スリッパはないので飛行機でもらったのが役に立つ。

 机の上にテレビのリモコンとは別に小さなリモコンがあった。テレビ以外にリモコンを使うような電気製品は部屋にないのに…。

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 荷物を解いてシャワーを浴び午後10時過ぎにはベッドに入る。午後10時といっても日本時間では1月10日の午前5時なので中部国際空港の東○インを出発した時刻からはすでに23時間が経過している。疲れるわけだ。

 シャワーのお湯はすぐに熱いのがたっぷり出たのでひと安心。部屋の暖房機だけでは少し寒いが厚い毛布が予備にあるので寒くて眠れないということはなさそうだ。

 電車の通る音が聞こえる。海沿いにTCDD(近郊電車)が通っているのだ。
 海外の旅行サイトの SUR HOTEL についての口コミ評価では、満点の評価をする人がいるかと思えば、低い点数をつけている人もいて極端に評価が別れる。後者は線路に面した海側の部屋の人なのだろう。幸い小生の部屋は海とは反対側に面しているのでこの程度の音なら名古屋の独居の前を通る車の音と大して変らず安眠を妨げるほどのものではなさそうだ…。

 翌朝は午前5時頃には目が覚めてしまった。疲れすぎるとかえって眠れないものだ。
 部屋の灯りをつけ、ふと窓の上をみるとカーテンの陰にかくれているエアコンを発見した。リモコンはこのエアコンのものだったのだ。少し寒いが安ホテルなので温水の暖房機で我慢しなければ…と思っていたがこれで安心である。

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 突如浪曲のように甲高い歌声が窓の外から聞こえてきた。時計を見ると午前6時20分。アザーンである。1日5回のお祈りのうち最初の夜明けのお祈りを促すものだろう。窓を開けると外はまだ闇の中。

 ホーチミンではたまたま近くにモスクがあり、マラッカはイスラム教が国教のマレーシアの街だったためにやはり暗いうちからアザ―ンが聞こえてきたが、部屋の中ではこれほどはっきりとは聞こえなかった。イスタンブールにはたくさんのモスク(トルコ語ではジャミー)があり、スピーカーを通しているようなので、近くのジャミーからかなりの大音響で発せられたものなので部屋の中でもよく聞こえるのだ。

 ぼうっとしながらアザ―ンを聞いていると突如、
 「ア~セラズ・ムリセ~ズ・マ~タク~リャイイ…」
というお経のような文句が閃いた。

 これまでの短期間の旅ではあそこも見たい、ここにも行きたいと気が急いてしまい、あわてて忘れ物をしたり思わぬ事態に陥り困り果てたことがあった。
 今回のイスタンブールでは有名な観光スポットを見逃しても気にせず気楽にのんびりほっつき歩いていこう、また来ればいいのだから…と思い至ったのだ。

 きっとアッラーの神のありがたいお告げに違いない。