パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

悪いやつは許せない!

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 大学2年の頃だったでしょうか。中学の同級生から電話がありました。久しぶりにクラス会をやるとの

ことで呼び出しがかかったのです。


 待ち合わせの場所に行くと電話をかけてきた友人が約束通り待っていました。彼と会うのも久しぶりで

す。同窓会の会場へ案内してくれるというので、お互いの消息をたずねあいながらついて行くと、とある

雑居ビルに連れて行かれました。



 同窓会にしては妙な会場だなあ、と思ったものの、中学時代には生徒会の役員をやっていて仲間うちか

らも信頼の厚かった友人でしたので、言われるままにビルの一室に入りました。



 すると、広い部屋には大勢の見知らぬ若者たちが席についていて、真剣な面持ちで檀上を見つめていま

した。


 「いったい何のつもりだ!?」と友人を詰問すると、友人は悪びれもせず「お前にとっても損にならない

話だから…」と言います。さらに文句を言おうとした矢先に会場から一斉に拍手がおこりました。



 檀上に数人の講師が登場したのです。

 派手なスーツを着た講師たちはワタクシと大して年齢が変わらないように見えました。

 
 彼らは口々に「知り合いを代理店として勧誘するといかに儲かるか、自分はもう何百万円を稼いだ、こ

のシステムは国税庁も認めたものだ、絶対に儲かる…」といった話を滔々と続けます。



 同窓会という姑息な嘘をついて連れてきた友人に対し腹をたて、ノコノコついてきた自分の間抜けさに

も怒っていたワタクシは、檀上の若者の得意げな話しにも胡散臭い思いしかしませんでした。


 ところが周りの聴衆の若者たち…なかには今のワタクシぐらいの年輩者も交じっていました…の大半が

食い入るように説明を聞いています。そしてほとんどが檀上の若者達に羨望のまなざしを向けているよう

にワタクシには感じられました。



 もうおわかりですね。あの「APOジャパン」の勧誘のための集会だったのです。

 もちろんワタクシは商品の購入も代理店になることも断固拒否し、虚言を弄して連れてきた友人の再三

の勧誘を無視して会場を去りました。


 その後の経過は新聞やニュースでご存じの通りです。ほどなくこの友人は金も信頼もすべて失いまし

た。


 当時テレビではエンジンの性能を高めるなんとかマークⅡとかいう商品とAPOの名前を連呼するCM

が大量に流されていました。それだけに一定の知名度があったので、欲をかいたのだから自業自得とはい

うものの騙されて被害を蒙った人も多かったのでしょう。



 今回のL&Gの詐欺事件で、波とかいう会長があのAPOジャパンの創設者だったと知りました。

 まことに腹立たしい限りです。あの友人が今回の事件のニュースをどんな気持ちで見ているかと思うと

やりきれない気持ちでいっぱいです。