新橋から砂町銀座、ついでに御徒町散歩①
家人は友人達とナントカ温泉に一泊旅行にでかけてしまいました。
「亭主をほったらかしにする」ことに文句を言おうものなら、『子どもが赤ん坊の頃、休日くらい子育
てを代ってもらい休みたかった。なのに「仕事の一貫だ!」などとぬかしてゴルフだ旅行だと妻子を置き
去りにしてほっつき歩いていたのはどこのドイツだ!!オランダだ!!!』と猛烈な反論に見舞われるのが明
らかなので、笑顔で送り出し、負けてはならじ?とふらふらと都内散歩にでかけました。
最近は街歩きや散歩に関する雑誌・Mook類がたくさんありますね。本屋でパラパラとめくるとあそ
こも行ってみたい、こんなところもあるのか、とワクワクしてきます。
というわけで、今回は東京メトロを利用して散歩してみようと、はじめて一日乗車券なるものを購入し
ました。ワタクシの記憶では昔はこうした割引切符はなかったような気がしますが、これは外国人旅行者
にとっても便利に違いありません。
さて、この日最初に向かったのは「おじさんの街」新橋であります。夜の新橋はそれこそ酒飲みオヤジ
のメッカとなりますが、今日の目的は別にありました。
まずは烏森神社に立ち寄り、家内安全、商売繁盛、ついでに温泉快適もお祈りいたしました。コンクリ
ートでできた神社なんですね、ここは。
目の目的地です。
このお店は名古屋ではよく知られているPASTA DE COCO というお店です。関東でもカレ
ティといっても普通のではありません。ご存じ(?)「あんかけスパゲッティ」のお店であります。
名古屋では「ヨコイ」や「チャオ」という店のをよく食べていたのですが、残念ながらこの2店は東京
には進出していないので、新橋にPASTA DE COCOがあると知ってやってきたという訳です。
ヨコイ、チャオとそれぞれ味に特徴がありますが、このお店のも十分に美味しいものでした。
あんかけパスタを、気味が悪いと言って敬遠する人(わが家人もその一人)もいますが、この味にはま
ってしまったワタクシは、名古屋では毎週食べていました。久しぶりにスパイスのきいたソースを味わ
い、満足の一皿でした。この店の近くにもう1軒あんかけスパゲッティの店を発見してしまいました。そ
のうち新橋はあんかけスパゲッティのメッカになるかも…。
地図を見ていると、近くの汐留エリアのあたりに「イタリア街」なる表示があるのを発見しました。
名古屋にも「名古屋港イタリア村」があり一時は賑わっていたのですが、今では経営破たんしてしまい
ました。はてさて、東京の「街」はどんなところか行ってみることにしました。
新橋駅方面に戻り、JRの高架沿いに歩いていくと、妙なものがありました。
今はなき新宿西口パレスとか文芸坐、その他場末のさびれた映画館にも結構行ったことがありますが、
ガード下の映画館というのは初めてです。電車の音は響かないのでしょうか。高架下のシーンでは臨場感
があったりして^^
ワタクシはまったく知りませんでしたが、昭和32年創立の映画館だそうです。並んだ2館のうちロマ
ン劇場は、明るいうちに入るにはなかなか勇気が要る作品が上映されています。
さて第一京浜国道を渡ってすぐに「イタリア街」があらわれてきます。JRの線路沿いにはなにやらい
かめしいファサードの建物が鎮座しております。
「イタリア街」のせいか、ガードマンの中にはベレー帽に茶色の制服を着た人もいてなかなかおしゃれ
な格好です。それにしてもやたらとガードマンが多いなあ、と妙に思い始めるとさらに妙なことが…。
おじさんたちがこの立派な建物にどんどん吸い込まれていくのです。そのおじさんたちはカジュアルな
服装の人が多く、中にはどっか工事現場からそのまま抜けてきたような人もたくさんいますね…?おまけ
に大半の人が片手に新聞紙みたいなものを持っています。
ようやく合点がいきました。なんのことはない、これは場外馬券売り場の建物 WINS なので
した。
中に入ってみると、広々とした馬券売り場はまるで空港の出発ロビーのように思えました。上階には入
場料のいるVIP向けのフロアもあるようです。
こんな立派な建物を見ると「賭博は胴元が一番もうかる」と言われるのが実感として理解できます。
このあたりがイタリア街というようですが、なんだかガランとしたエリアでした。広場は石畳のようで
すがねぇ…。街並みをイタリア風にしているようですが、ワタクシの知っているイタリアはこんなにきれ
いなのではなく、もっと薄汚れた街並みだったと記憶しておりますが…。
それっぽいお店もあることはあるのですが…。
なんだかよくわからない「街」でありました。名古屋のイタリア村は倉庫の跡地を再開発した観光施設
でしたので入場者が減って破綻したのでしょうが、ここはホテルやオフィスビルのようなのでそうした心
配はないのでしょう。ほかに見るべきものがあるのかもしれませんが、なんだか肩透かしを食わされたよ
うな気がしました。期待が過剰だったのかもしれませんね。(つづく)