樹上の「こまったちゃん」
自宅の前のケヤキ並木を15分ほど歩いて行くと並木が終わるあたりに大規模スーパーマーケットがあ
ります。そのスーパー前のけやき並木に、毎年6月から10月頃まで大量のムクドリが押し寄せてくるよ
うになってもう十年以上たったでしょうか。
ムクドリが来るシーズンになると道路やバス停のベンチは、彼らがまき散らすフンでご覧のとおりのあ
りさまです。
しますが、普段はちゃんとした対策をしていないのか、この時期になると毎年決まって彼らはやってきま
す。
今年はケヤキの間引き剪定をしたようですが、そのお知らせも糞まみれになっているようでは効果は推
して知るべしというところでしょうか。
スーパーマーケットの前のエリアは遅い時間まで明るいので、彼らにとっても他の場所より安全なた
め、このエリアに集まるのではないかと云われています。たしかに同じ通りでもこのエリアに比べ、夜に
もっと暗くなるところには集まってきませんでした。
ところが、今年のお祭りのために火薬を爆発させて追っ払ったところ、どういう訳かわがマンションの
前のケヤキ並木に彼らが移動してきてしまいました。
ちょうどその日、マンション前の停留所でバスを降りると、蝉の声に混じって普段は聞こえない鳴き声
がするので、「あれ?」と思ってケヤキを見上げると、黒い大きな鳥がわんさか枝や葉の間でうごめいて
いるのを見つけました。
自宅について家族に「えらいこっちゃ!」と伝えたところ、窓を閉め切っていたため、家族連中はムク
ドリの声に気が付いていませんでした。
せっかく静かできれいなケヤキ通りを気に入っていたのに、これはヒドイことになるなあ…と嘆いてい
れから撃退行動に入る、との放送が流れてきました。まるで空襲警報と大本営発表みたいなものです。
放送後まもまもなく外から火薬が爆発する音が聞こえてきました。結局その日は夜遅くまで大きな音を
たててムクドリを驚かせて立ち退かせることができたようです。
その後数日間はムクドリの先遣隊が現れるとたちまち高射砲の連射のごときこの撃退策を実行したた
早い対応には住民から大喝采があったようです。
現在もムクドリが来襲する気配はなさそうなので安心です。
ムクドリ対策といっても駆除するわけではなく、ババ抜きみたいなもので、ある場所からいなくなって
も別の場所に移動するだけですから、根本的な解決にはならないようです。
なんとか彼らとも共存できればとも思いますが、なかなか難しいものですね。