パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

「英国王のスピーチ」見てきました。

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 珍しくワタクシの方から家人を誘ってアカデミー賞有力候補作品の本作を観にいってまいりました。昔はアカデミー賞作品は表彰式のずっとあとになってから日本で公開されたものですが、最近は随分早くなったんですね。
 
 血湧き肉踊るシーンのない本作に興味を示していなかった家人はタイトルもろくに覚えておりません。売店にパンフレットを買いに行かせたとき映画の題名を聞かれたので「大統領のスピーチ」と教えたところ、まんまと罠にかかり店員さんの失笑を買っていました^^ゞ
 
 映画は現エリザベス女王の父親のイギリス国王ジョージ6世と、彼の吃音を、正式な免許はもっていないものの独特の療法で治療したオーストラリア人のライオネル・ローグの交流を実話に基づいて描いたものです。
 
 第1次大戦が終わったあと、ヒトラーが台頭し第2次大戦へと突入する不安な時代を背景に、父ジョージ5世のあとを継いだ兄のエドワード8世がシンプソン夫人との恋を優先して戴冠式を前に国王を退位したため、いやいや国王となったジョージ6世。
 彼は子どもの頃の乳母のいじめや父親の厳しいしつけなどから吃音となり、それが主因となって内気な青年として育ちます。
 ヨーロッパが戦争に向かう中、内気な性格からできれば国王の地位に付きたいとは思っていませんでしたが、兄の退位のためにはからずも国王となる羽目になり、イギリス国民を勇気付け心をひとつにするという重責を前に悩みます。
  
 そんな彼を妻や娘達(現エリザベス女王、マーガレット王女)は温かく支える一方、ライオネル・ロークは国王の吃音の原因が心の問題にあると長年の経験から判断し、紆余曲折はありながらも彼独特の治療をほどこします。
 
 映画は彼らに支えられ、吃音を乗り越えてラジオを通じて懸命に国民に語り掛け奮い立たせるジョージ6世を感動的に描きます。
 
 シリアスな場面もありますが、ジョークが飛び交うシーンも少なくなく英語がもっと得意であれば会話の醍醐味を楽しめたことでしょう。
 
 出演者の顔ぶれを見て驚いたのは、顔を知っている脇役が沢山出演していたことです。
 コリン・ファース演じる主役のジョージ6世役以上にいい演技だったライオネル・ローク役が「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで呪われた海賊キャプテン・バルボッサのジェフリー・ラッシュですし、ジョージ6世の妻のエリザベス皇太后役は「ハリー・ポッター」シリーズで悪役の魔女ベラトリックス・レストレンジを怪演したヘレナ・ボナム=カーターです。
 さらにウインストン・チャーチル役がこれもハリポタシリーズでロンのペットのネズミに化けていたピーター・ペティグリュー役のティモシー・スポールでした。
 
 極めつけはジョージ6世・エドワード8世の父親のジョージ5世を演じたのがダンブルドア校長役のマイケル・ガンボンです。ハリー・ポッター第6作「謎のプリンス」で死んだと思ったら、イギリス国王として生き返っていたのですね。さすが大魔法使いです。
 
 観客を見渡すと比較的年配の方が多かったですね。じっくり味わう映画ということなのでしょう。もう一度じっくり観てみたい映画です。