パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

北京散歩行⑤ 2日目 什刹海散歩

  故宮の北側の出入り口の神武門です。南から北へまっすぐ登るようにして見学してきたわけですね。門の前にはみやげ物売りがたくさんいてやたらに声をかけてきます。
 
 門の前には景山前街という大きな道路が東西に走っており、道路の向こう側に景山公園があります。景山頂上から見下ろす紫禁城の全景、とくに夕方や朝方の眺めは絶景だそうですが、後の楽しみに取っておいて公園前からタクシーに乗ります。
 
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  海外ではあまりタクシーは使わないほうですが、北京のタクシーは北京五輪以来雲助タクシーもほとんどいなくなり、初乗り10元(約140円)と料金も安いので移動手段としては便利なものでした。
 
 公園の前に立っていて手を上げてタクシーを止めるのは日本と同じ方法です。言葉が通じないのでメモ用紙に行き先を書いて運転手に見せて「OK?」と確認してから乗り込みます。
 
 北京では1人の場合は助手席に乗るのが普通のようです。 気温は結構上がって暑かったのですがこのタクシーはまだ冷房を入れていませんでした。 市内の中心街のせいか結構車は混んでいましたね。
 
 
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 「軍管理区」なんて物騒なエリアはやはり中国らしいですね。 
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 目的地は什刹海です。ここには故宮の北西部に位置し、前海・后海などの湖があり、かつては北京の水源だったところです。
 現代は湖のほとりにオシャレなカフェが立ち並び、夕方になると湖畔をそよぐ涼風を求めて人々が集まるスポットです。日中の時間帯は三輪リキシャ胡同巡りが観光客に人気です。
 
 目的地の北京市什刹海体育運動学校」の前でタクシーを降りるといきなりオッサンに中国語で声をかけられました。
 何を言っているのか判らないので怪しい物売りかと思って無視して通り過ぎると、今度はずらりと並んだ三輪リキシャの運転手から声をかけられます。
 
 今度も中国語は意味不明ですがきっと「三輪リキシャに乗らないか?」と言っているのでしょう。せっかく北京にきたのだから乗ってみるかと思いたちリキシャの方を指差すと、その様子を見ていたらしいさっき無視したオッサンが出てきました。
 
 どうやらこのオッサンが三輪リキシャの手配師のようでした。このオッサンに事務所みたいなところに連れていかれ、いきなり「エイティー(80元)!」と言われます。料金ですね。
 とりあえず「シックスティー(60元)!」と値切ると、オッサンは1拍措いて苦笑いしながら「セブンティー!」 と10元下げてきました。ワタクシもこれでOKし、結局70元(約980円)で三輪リキシャの胡同巡りに出発です。
 
 
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 このおじさんがワタクシの担当のリキシャマンです。にこやかな笑顔を絶やさない人のよさそうなオジサンでしたが、英語は全くダメでした。 
 
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 のんびり街中を走りながら風景について説明してくれるのですが、さっぱりわからないのでこちらもニッコリするだけ。そのうち説明はやめてお互いに笑顔をかわすだけの妙な胡同巡りになってしまいました。
 
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  リキシャをとある建物の前で止め、笑顔の彼氏がなにやらまた中国語で話しかけてきて建物の中に案内します。なんだかよくわからないまま建物に入ると日本語を話すオバサンがでてきてここが伝統的な四合院建築だといいます。
 
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  あれよあれよという間にチケットを切られ、20元(約280円)の入場料をもぎ取られて、中庭に案内されてオバサンの日本語の説明が始まります。
 
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 風水にもとづいて建てられる四方を囲んだ独特の建築様式の四合院は今では数少なくなったようです。この建物は北京五輪のときは宿舎として使われたそうです。各国からの観光客が言語別に係員の説明に熱心に聞き入っています。 家族だけでなく使用人の部屋もありましたのでそれなりに裕福な家族が住む住宅のようですね。
 
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 オバサンの達者な日本語の解説が終り、再びリキシャマンとのんびり胡同巡りを続けます。リキシャが湖のひとつである前海にでてきたところで、出発地に戻らずに湖畔を1人で散歩したくなりました。
 リキシャを止めてもらい、リキシャマンに写真を撮ってもらったあと、「ここで終りだ」と身振り手振りで伝えます。
 
 意味を理解すると、英語が話せないはずの彼が、一層の笑顔をみせながら妙にはっきりした発音で"Tip!”と言ってきました。どうやら彼の知っている英語はこれだけのようです。思わず苦笑しながら、相場がわからないので四合院の入場料と同じ20元をあげたところさらに笑顔を見せてくれましたので悪くないチップだったようですね。
 
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 今日は天気もよく風が無いので日向は暑いのですが、湖畔の道は樹木が植えられているので心地よい散歩ができました。
 
 リキシャマンにもらった什海観光のパンフレットにはちょっと妙な日本語が・・・。
 
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 前海から后海まで湖畔の道をぶらぶら散歩し、昼時になったので湖畔にあった孔乙巳酒店で昼食にすることにしました。
 
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 店に入り席に案内されると早速メモ用紙に料理の名を書いて店員さんに見せます。店員さんはワタクシの下手な字の判読に一瞬時間がかかったようですが、頷いて下がっていきました。それにしても下手な字ですね。
 
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 まずどど~んと金属のポットに入った紹興酒がきました。ガイドブックによると北京では蒸留酒が主流だそうですが、ここでは美味しい紹興酒をいただけました。砂糖はありませんでしたが、頼まないのにお燗もしてあり甘みのあるとてもいいお酒でした。お酒の量は「1斤」となっていましたがポットには結構な量が入っていましたね。
 
 真ん中の器がお銚子になっていて紹興酒をそそぎます。
 
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 銚子を取り出すと外側の器にはお湯がはってあり、そのため冷めにくい構造になっているんですね。なるほど・・・。
 
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 続いてウイキョウ豆(茴香豆)紹興酒で煮た料理がでてきました。この店の名物のひとつのようです。日本では油で揚げ皮をはがして中の固い豆を食べますね。
 なので豆が固いものを想像していたのですが、とても柔らかく煮込んであり外の皮ごといただけます。 途中で隣の席の人を見ると皮をはがしていたのでそれからは皮は食べませんでしたが・・・。
 
 
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  東坡肉です。器にぴったりはいっているので取り出すのに少し難儀しました。
 
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 これもじっくり煮込んであるんでしょうね。トロトロに柔らかくてジューシーでした。台北故宮博物院に展示されていた玉でできたものを思い出しました。
 
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 黒服の女性は店員さんですね。 携帯電話はかけ放題?です。
 
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 グビグビ飲んだ紹興酒の勢いのせいで、つい小龍包も注文してしまいました。
 
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 湖のほとりで散歩したあとのお酒とお料理は堪えられませんね。 
 
 紹興酒たっぷりと料理三品で101元(約1400円)。お値段にも満足です。
 
 
 
 食後に腹ごなしで少し湖畔を散歩したあと、大通りに出てまたタクシーに乗り、今度は北京北駅を目指します。
 
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 この駅からは北京郊外の八達嶺にある万里の長城行きの列車が出ています。万里の長城へはバスで行く方法もありますが、鉄道の方が時間が確実です。
 万里の長城を観光すると往復で半日は潰れてしまいます。実質2日間の短い日程なのでどうしようかなあ~と迷っていたのですが、紹興酒の神様に「せっかく中国に来たのだから行って来い!」とご託宣を貰ったような気がしたので、明日出発の切符を買っておこうと駅にやってきたのでした。
 
 
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  切符売り場に並び自分の順番になると、まずニッコリ微笑みかけながら地球の歩き方万里の長城のページをガラス越しに服務員に見せます。服務員もうなずいています。万里の長城に行きたい客だとわかったようです。
 それからおもむろにあらかじめネットで調べて書いておいたメモを渡します。八達嶺万里の長城の最寄り駅です。
 
 
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 「軟座」とは1等車のことです。日にちを間違えて書いたのであとでもう1枚のメモに5月23日と書いて訂正しました。
 
 ところが7時26分発の列車は今は運行していないようでした。すると服務員はパソコンのモニターをわざわざワタクシの方に向けてくれて画面をペンで指し示しながら購入可能な切符の発車時刻を教えてくれました。
 
 鉄道の服務員といえば不親切の代名詞みたいな存在だと思っていましたので意外な親切さに中国も変わったんだなあという感慨に瞬間ひたります。
 
 往路は午前9時33分発の列車が始発で、この便は午前10時40分頃に八達嶺に到着しますが、復路の八達嶺出発の列車が午前11時42分発の次の便は午後3時22分発になってしまいます。
 
 これだと長城見学に半日以上時間を費やすことになりますが、午前11時42分発の便で戻るとすると、1時間で万里の長城の見学を切り上げないと帰りの列車に乗り遅れてしまいます。結局、見学時間の確保を優先して午後3時22分発の便の切符を買うことにしました。
 
 特急の1等車で1時間ちょっとかかる距離なのですが、料金は片道17元(約240円)という安さです。
 
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 切符を買うのに少々時間がかかってしまいましたが、なかなか面白い窓口での経験でした。(つづく)