北京散歩行⑩ 3日目 八達嶺 息も切れ切れ
たまたま中国の高速鉄道(?)に乗っている場面を掲載中に温州の事故が発生しました。鉄道当局の対応には驚いてしまいますね。鉄道=軍事ということで特権意識がまだまだ強いようですね。犠牲者のご冥福を祈ります。
さて、わが「和諧号」は雷に打たれることも後ろから追突されることもなく順調に八達嶺に向かいます。
ただし、車両内の中国人の会話のうるさいこと!わざと大声でしゃべってるのではと思うくらいやかましかったです。
さらに、服務員が車両の先頭(つまりワタクシの席の目の前)きてトラメガを使ってなにやら乗客にこれも大声で説明を始めました。車内放送ですまないことなんでしょうかね・・・。
様子をみていると入場券みたいなのを売りこんでいるようでした。最初は万里の長城の割引入場券かな?とも思ったのですが、買う人もあまりいませんでしたのできっと違っていたのでしょう。乗客も期待はずれ、といった表情でした。
車窓からかなりの急坂になった長城が見えてきました。八達嶺とは別の長城のようです。近くを通ったときにはまばらな観光客が手をついてはいつくばるようにして登るのが見えました。相当な急坂のようでした。
ほぼ予定時刻に八達嶺の駅に到着しました。長城の入り口まではしばらく歩かなくてはなりません。道はよくわかりませんでしたが、降車した客は全員長城に行くのでしょうからあとから着いていきました。
だらだら坂をあがっていくとだんだん整備された広い道にでてきます。途中にはこんな碑銘も・・・。記念写真を撮る観光客が並んでいました。
途中にバスが止まっていました。北京市内からの直通バスのようでした。
・・・まだかかるのかなあ?と思った頃、どうやらこの狭い門をくぐると長城の入り口に出るようです。
狭い道なのにワタクシなど通行人がいてもお構いなしにバスが進んでいきます。さすが中国!
この門を抜けて右にあがるとやっと万里の長城の入り口にたどり着きました。駅から20分くらい歩いたでしょうか。
大枚45元(約630円:北京から特急でここまで17元ですから、大金に感じてしまいます)払って入場券を買い、ゲートから入ります。残念ながら入場券はここで改札機に吸い取られてしまいました。そのかわり「紀念門票」としてこのカードをくれました。なんだか季節感はないですね。
さていよいよ今回の短い旅のメインイベント万里の長城散歩です。
ガイドブックによると北京近郊の長城の中で観光地として最も整備のすすんでいるのがここ八達嶺です。全長が3700m・・・? ということはどっかでちょん切れているんですかね?
下の写真は入り口からすぐの踊り場みたいなところです。ここから写真に見えるのが北側に伸びる傾斜が緩やかな通称「女坂」。写真には写ってませんが反対の南側には傾斜のきつい「男坂」が延びていきます。
ところどころに「城楼」があります。今日の目標はもちろん女坂です。写真に遠く手を広げた男性の頭の上に写っている4つ目の城楼までの往復散歩にいざ出発です。
今日も強烈な日差しで気温もかなり高くなっています。「女坂」ということで気楽に歩きはじめたものの、たしかに最初はゆるい傾斜だったのですが、途中から結構きつくなってきました。
最初は石畳だけの路面だったのが傾斜がきつくなると階段になっていきます。
長城はほんとに石だけでできてるんですね。壁や路面に触って見るとがっしりしていて、何度も補修はしたのでしょうが、中国の長い歴史が指先から伝わって来るような感じがします。
途中で何度も休んだり写真を撮ったり、撮ってもらったりしながらようやく4番目の城楼あたりまでたどり着きました。
人一倍身体に錘をつけてます(?)のでゼイゼイハーハーいいながらよじ登った、というのが実感です。たくさんの年配の人たちも元気に登っていましたが、正直言って疲れました、はい。
見下ろすと雄大な山並の中に登り始めた入り口付近の踊り場から延びる男坂が眺められます。女坂でこれだけきついのですからどれだけしんどいんでしょうね。そのため登る観光客も少ないようです。この眺めを見たら気持ちの上ではこれまでのしんどさも帳消しになりました。すばらしい眺めでした。
こうした長城を何千キロも作るなんて、発想も実行力も昔の中国は凄いもんだとつくづく感じざるを得ませんでした。
途中の城楼は観光客にとって格好の休憩所になります。大昔はここから警戒したり矢を放ったりしたんでしょうね。
内部は陽が当たらず、風通しもいいのでとても涼しく感じました。彼女も涼みながら何を考えているんでしょうね。
4つ目の城楼のそばには休憩ポイントみたいな場所があって崖の先端で記念写真に興じている観光客が沢山並んでいます。売店では長城登攀記念メダルを売ってました。結構売れてましたね。ケチンボのワタクシは買わずじまいです。
向こうに見える長城に行くには写真でいうと左側にず~っと歩いていってまわってくる形になります。さすがに歩いてる人はいなかったようです。
観光施設としてスライダーやロープウェイもありましたが絶景をみただけで十分でした。
ようやく足の疲れも癒えてきたので降ることにしました。 ご覧の通りの急な階段もあります。下りも結構足にきますね。
駅からここまで往復して1時間で列車に乗るのは相当困難ですね。やはり余裕を持った帰りの切符にしておいて正解だったようです。(つづく)