パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

北京散歩行⑪ 3日目 楽しいバス遠足?

 万里の長城の絶景を見終わった後、帰りの列車の時間までにはまだ相当あるので、昼食をとろうと駅につながる道にある広場を散歩します。
 
 「超市」とはスーパーマーケットのようです。「超級市場」と書いてあるところもありますね。英語のスペルは・・・?
 
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 割としっかりした店構えの食堂があったのではいってみました。ところが中へ入るとなんだかそこらへんの「食堂」という感じ。店員も若い女の子で日本で言えばアルバイト風の娘達です。 
 
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  メニューを見ても値段は安そうです。
 
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 まずは「Beer、please!」と娘店員に注文したところ、なんだか恥ずかしがって照れ笑いするだけで、全く通じていないようです。
 世界中から観光客が来るのに、また現に今日も欧米人を結構みかけているのに「ビールの英語すら通じないのかなあ」と半ばあきれていると、その娘さんが周りの娘たちとキャーキャーいいながら、少し年上風の娘店員を連れてきました。この子はかろうじてカタコトの英語を話すので無事ビールを注文できました。
 
  ここは燕京ビールです。「純生」も中国語なんでしょうか? 大瓶で15元(約200円)・・・安い!でも、ここもガラスのコップがないですね。中国ではガラスのコップは国家機密で外国人に出さないのでしょうか?
 
 
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 ようやく喉を潤してから、食事を・・・と思って今度は筆談で、北京では定番といわれるジャージャー麺を頼もうと娘店員を呼びます。
 
 メモ帳を見せながら漢字でジャージャー麺と書こうとしましたが、今度はワタクシが漢字を思い出せず、ペンを持ったまま固まってしまいました。
 メモ帳を見ていた娘店員も漢字が思い出せないで唸っているワタクシをみて笑い出し、最後は2人とも大笑いする始末です。
 
 結局何とか炸醤麺という字を思い出しメモ帳に書いたときは、彼女も何度もうなずき、二人とも小さな達成感を味わうことができました。
 
 
 ・・・で、運ばれてきたのがこれです・・・。18元(約240円)。・・・若い中国人女性とのつかの間の交流つきだから、まっ、いいか。 
 
 
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  楽しい?昼食を終えてもまだ列車の時刻にはかなりあります。店を出て大きくてきれいな公衆トイレ(ニーハオトイレではありませんでした^^)で用を済まし、広場をぶらぶらしていると往きも見かけた場所にバスが1台止まっています。
 
 どんどん人が乗っていくので近づいて女性の服務員に「ベイジン?」と訊くとうなずきます。フロントグラスに「原919区間と札がでていますので北京市内の徳勝門までの直行のバスのようでした。 
 これで行けば1時間半くらいなので、帰りの列車が八達嶺を出発する時刻頃には北京市内に着けそうなので早速乗り込みます。列車の切符代17元は無駄になってしまいますが、安い金額でしたので気にはなりません。
 
 席はだいぶ埋まっていましたが、服務員から指差しされた一番前の席に座ります。通路を挟んで向かって左に3席、右に2席の座席配置です。
 
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  どんどん客が乗り込んできて満席になったので出発しました。
 
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 料金はどうするのかな?と思っていると出発後しばらくして服務員が通路を往復してICカードを回収し、運転席のそばの機械にタッチします。ワタクシのカードは目の前で彼女に渡してタッチしてくれましたのですぐ回収できました。でもカードには名前が書いてあるわけではないはずですので、後ろの席の人のカードはどうやって各自に返すのかなあ、区別がつくんだろうか?と不思議でなりませんでした。
 
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 そのうち、カードのことなのかどうかはわかりませんが、乗客の何人かが、大声で服務員に向かってなにやら訴え出しました。すると服務員も大きな目玉をひんむき口からツバキをとばしながら、大声でやり返します。ワタクシの頭越しの内戦がしばらく続き、次第にあちこちの乗客が市街戦に乱入してきました。
 
 事情の飲み込めないワタクシが「一体これはどうなるのか」とハラハラしていると、今度は運転手が客席を振り返りながら、さらに大声を張り上げて客に向かって怒鳴りだしました。「おいおい、ちゃんと運転してくれよ!」と思いましたが、運転手の怒りは収まらないようで運転しながらしばらく大演説が続きます。
 
 すると乗客が言い負かされたのか客席からの反論はぴたりと止まりました。どうやら乗客の命を預かる運転手の勝利に終わったようです。・・・まさかこれも中国人の普通の会話ではないでしょうね。ともかくド迫力のあるやりとりでした。
 
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 中国内戦が終了したあと、隣の若い男性にバスの値段を訊いたことをきっかけにこの男性と筆談が始まりました。バス料金はICカードだと割引され、4.8元(約65円)という圧倒的な安さでした。
 
 周りの乗客も暇で手持ち無沙汰のためか2人の珍妙なやりとりを興味深く窺っているようでした。
 
 「このバスは直行便か?」と彼に尋ねる意味で「直達?」とメモ帳に大きく書くと、内戦に勝利した大目玉の服務員も暇になったのか、メモ帳を覗いてきて笑いながら頷きます。
 
 若い男性に名前を訊くと「陳磊」と書き、「ツェンレイ」と発音してくれました。ワタクシがメモ帳に彼の発音をカタカナで「ツェンレイ」と書き込むと、「国はどこ?」とメモ帳に書き、「ハング(韓国)?」と訊いてきました。
 
 彼も彼の隣の席にいた友人らしき男性も、どうやらカタカナをハングル文字と思い込み、ワタクシを韓国人と勘違いしたようです。言われてみるとカタカナの「レ」「フ」や「ト」などはハングル文字に似ているかもしれませんね。中国人から見ても韓国人と日本人の区別はつきにくいのでしょうか。
 
 数少ない中国語語彙から「ウォー・シー・リーベン・レン(ワタチ・ニホンジン・アルヨ)」と答えるとワタクシが日本人であることを理解してくれたようでした。
 
 すると彼らも震災や原発事故のことは知っているようでした。試みに原子力発電所を中国語でなんていうのか尋ねると「核甩站」と教えてくれました。英語のNewclear Power Stationの直訳みたいですね・・・。
   
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 地球の歩き方 北京」を彼に渡してやると、興味深げにしばらくページをくくって読んでいました。北京の記事ですし、漢字の部分はある程度意味がわかるんでしょうね・・・。
  
 という具合でのどかな交流をしているうちに、お互いに疲れが出たのか、いつとはなしに居眠りに入ってしまいました。目が覚めるともう北京市内に入っているようでした。
  ほどなく終点の徳勝門につき、「陳磊」君と彼の友人達に別れを告げてバスを降ります。(つづく)