パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

こういうこともありますね。

8日目の5月1日(水)とんがり屋根で人気のアルベロベッロを目指します。
 
 当初は行くつもりはなかったのですが、イタリア半島の踵のあたりも行ってみたいな、と急遽切符をこちらで買っていくことにしました。
 
 旅程としてはナポリ中央駅→カゼルタ→バーリ中央駅→アルベロベッロと乗継で行くことになり、アルベルベッロに着くのは午後の予定です。アルベロベッロで一泊してまたこんどはバーリまで戻ってアッシジに向かうことにしています。
 
 朝まず、ナポリ中央駅から鈍行列車でカゼルタへ行きます。
 
イメージ 1
 
 カゼルタからはローマ発レッチェ行きの高速列車フレッチャアルジェントに乗り換えます。この列車は全席指定なので切符をパレルモで買いました。
 
 始発駅でない場合、ホーム(Binario)の表示は電光掲示反などに出ますが、自分の号車がどのあたりに停車するのかはさっぱり表示がありません。土台、どっちの方向から列車がやってくるかもわかりません。
 
 乗車するときにあわてないよう、乗客はじめ駅員に聞きまくります。乗客はほとんどわかってなかった・・・ワタクシと同じ状況ということですね。
 
 ワタクシは2等の9号車ということで髭を生やしたオッサンの駅員からホームの向こう端を指さしながらUltima!と言ってました。数少ないワタクシのイタリア語の語彙ではたしか「最後」というような意味ですから最後尾の車両ということでしょう。
 
 そのあたりでしばらく待っているとやってまいりました。触っちゃいかんぞ号が・・・
 
イメージ 2
 
 車内はほぼ満席状態です。コンパートメントではなく、4人掛けのボックス席みたいになっていて真ん中に簡易なテーブルが付いています。
 
 同席の若い男性たちにBariについたら教えてねとお願いします。
 
 車窓の景色な誠にのどかな田園というか日本と違ってずーっと草が生えているのは植えているんでしょうね。ブドウ畑も随分見ました・・・疲れていたのかうつらうつらしながらの移動です。
 
 バーリ中央駅に着き、同席の若者たちにお礼を言って下車。
 
 アルベロベッロに行く私鉄のホームを探します。これが表示を見てもわからない・・・。
 
 地元の人らしき人に何人聞いてもわからない。「うっそだろー。新宿の乗降客に京王線の改札を訊いているようなもんなんだけど・・・。」と思いつつも、アルベロベッロが観光客に人気があるから客を減らすために教えない・・・そんなおバカなことも考えてしまいます。
 
 ちょっと焦ってきましたが、駅員に聞くとこれまた釈然としません。「クローズ・・・」なんて不吉な言葉を吐く輩もおりました。
 
 結局駅から出たところにあるトレニタリア(イタリア鉄道)のインフォメーションの場所を教えてもらい、そこにいた髭のオッサンにようやく地下道を通って端っこにアルベルベッロ行きの鉄道のホームがある、といことがわかりました。やれやれ・・・。
 
 それからまた駅に戻って該当のホームにたどりつくと・・・
 
 し~ん・・・・
 
 としています。
 
 さっき呪いの言葉を吐いた奴がいましたが、どうも状況は芳しくありません。
 
 もう一度駅舎に戻って別の駅員を捕まえると、結局理由は判然としませんが、今日はアルベロベッロへ行く鉄道は動いてない、ということが確定しました。
 
 バスで行けないこともないようなのですが、明朝戻ってこなくてはならないし、こんな状況では予約した明朝のバーリ発の列車に間に合うかどうかも不明です。
 
 ユーレールグローバルパスは日程を考えて5月4日から使えるようにしましたので、今日このまま次の目的地のアッシジに向かうとすれば、また切符を買いなおさなければなりません。
 
 ということで今日はこのバリ島ならぬバーリという町で一泊することにしました。
 
 まず、宿探しです。
 
 地図もなにもないので、さっきのトレニタリアのインフォメーションに行って、さっきの髭のおっさんに事情を話し、地図をもらえないか、宿のリストはないかと、お願いしました。
 
 おっさんは地図は一枚しかないのでやれないが・・・といってワタクシを入口に連れて行き、指をさして「あそこの緑の木のところにキオスコがある。あそこへ行け」といいます。最初キオスコが何のことかわからず、しばらくしてキオスク、つまり売店みたいな小さな建物のことを言っていることがわかりました。
 
 あそこがツーリストインフォメーションか?と尋ねると、自信たっぷりに「そうだ」とうなずきます。
 
 アルベルベッロ行きのホームを教えてくれた時に「どうして今日は電車が動かないことを教えてくれなかったのか」という作文はできなかったので、余計なことはいわず、お礼を言ってキオスコに向かいます。
 
 
 当日にホテルに直接飛び込みで宿泊したことはありますが、ツーリストインフォメーションで宿を紹介してもらうのは初めてです。
 
 キオスコには若い女性がいて、挨拶するとにこやかに挨拶を返してくれました。
 
 まず地図をもらい、宿を紹介してほしい、と頼むとまず希望料金を訊かれます。
 
 50ユーロ以下を希望したところ「OK」という返事でしたので、このあたりではそのレベルの宿はたくさんある、ということなのでしょう。
 
 次に場所についてCentro Storicoの近くを希望するか訊かれたので、どうせならと歴史地区に近いほうが面白そうだと近くを希望します。
 
 最後に他に条件はあるか訊かれます。そこで、個室でシャワー・トイレがついていること、Free wifiであることを希望します。彼女はこれも簡単にOKします。
 
 アマルフィあたりの観光地では50ユーロくらいですと、共同トイレになるか、トイレ・シャワー付きの部屋の場合は世界狭隘ホテル図鑑に載るような部屋になってしまいますが、このシャワー・トイレ付個室の宿で50ユーロの金額は決しておかしくないことがわかります。
 
 担当の彼女が該当しそうな宿に電話をかけて3件目、チェントロ・ストリコの少し手前のPensione Aquilaを紹介してくれました。彼女曰く「ベッドがクイーンサイズよ!」。欧米人はベッドのサイズにこだわるようですね。アマルフィではソファのようなベッドでしたが・・・。
 
 地図でホテルの場所を教えてもらいお礼を言って紹介所を出ます。
 
 
 通りと番地と地図を頼りに歩いて数分、ペンシオーネのある建物を見つけました。
 
イメージ 3
 
 イタリアは外から見ると日本人が怖気づくような建物がそっこら中にころがっているんですよねぇ~。
 
 入口(茶色の扉)のインターホンの中からペンシオーネ・アクイラのものを見つけ、ボタン押すと女性の声がしました。そこで「ワタチニッポンジンアルネ インフォフルマツィオーニ ツーリスティコ カラ キタアルヨ」というと少し笑いがなら表の木の大きな扉の鍵を開けてくれます。
 
 インフォメーションの女性はワタクシのパスポートを見たわけでもないし、ワタクシも日本人といったわけではないのですが、電話でペンシオーネに照会してるときにgiapponeseと言ってましたので一発で日本人とわかったようですね。
 
 フロントに上がるとおばあちゃん(イタリア語のみ理解)と孫娘(イタリア語と英語を理解)といった取り合わせの二人の女性が応対してくれました。
 
 孫娘と思しき女性はまだ学生で日本語を勉強しているそうで、卒業したら日本に行きたいと言ってましたね。
 
 シャワーを浴びてからフロントで町の地図をもらい、Centro Storicoを散歩します。
 
 
イメージ 4
 
イメージ 5
 
 
イメージ 6
 
 Bariは港町です。これまでいろんな民族に襲われてきたそうですが、みんなこのアドリア海をわたってきたのでしょうね。
 
 アドリア海を目にするのは初めての経験です。 
 
 
  歩きつかれたので海岸沿いのカフェで、ワインとカプレーゼのブルスケッタをいただきながらしばしの休憩です。
 
イメージ 7
 アドリア海なんてものを前にのんびりしていることがなんだか不思議に思える時間でした。