ナポリに着きました
今日は移動日です。
天気は昨日の世界遺産日和の快晴から打って変わって、どんよりと曇った一日となってしまいました。その代り?狭いくねくね道を大型バス同志が特に狭いコーナーですれ違うケースが数多あり、予定より30分近く遅れてソレントへ到着しました。
途中ポンペイの駅で観光客の大半が降りました。ワタクシは2回ポンペイに行ったことがあり、うち一回は日没近かったので入れてくれなかったのですが、いずれにしろ行ったことがあるので、そのままナポリに向かいます。
さらにはこの一週間の状況により
①ユーレイルグローバルパスのヴァリデーション
③下着と靴下の買い替え…要するに補給地としての位置づけしかしておりませんでした。
まずはナポリ中央駅の窓口で①のユーレイルグローバルパスのヴァリデーション(有効化)です。
期間2か月のパスを購入しましたが、いつ使用をスタートするかなあ、と思案していたのですが、結局フィレンツエで3日間過ごすこととなり、その間も近くの街に行く可能性がありますので5月4日から使用スタートすることとしました。
幸い10分位待たないうちに自分の順番となり、グローバルパス(ワタクシの年齢では1等車用のみ)が有効化され、パス利用による指定席切符も予約手数料各10ユーロだけで購入できました。
昔のイタリア国鉄(FS)では高速鉄道も「予約もできますよ」という位置づけだったのでパスがあれば予約の入っていない席はいつでも乗り降り自由だったのですが、民営化されたイタリア鉄道(トレニタリア)は日本でいうローカルの鈍行と快速以外の長距離列車はすべて包括運賃・・・要するにすべて予約をしなければならない、ということにしてしまいました。
さらにグローバルパスで使える席の数は限られているようで、パスを持っていても利用できないこともあるようです。
ですから早めに予約を入れることが肝心なのですが、ワタクシのように適当に旅をする人間は予約をいれようにも日程をがちがちに決めないので、直近で予約を入れると入らない可能性があると若干心配しておりました。今後観光客が増える時期になるともっと早く予約しないとむづかしいかもしれませんね。
今回の宿はトイレとシャワーは共同。朝食なしという簡素なシステムの宿です。テレビもありません。あるのはベッドと箪笥と机はちゃんとあります。部屋に洗面台はあります。
場所はナポリ中央駅より北に一本上がった道の並びの建物の2階(日本でいる3階)という素晴らしい環境にあり、きっとパッケージツアーではチャーターバスも通りもしないガラの悪いところです。黒人もかなりいますね。
その代り宿代は28ユーロで今のところ泊まった宿の中では一番安い料金です。移動の中継点であり、明日できるだけ早い電車でバーリ経由アルベロベッロに移動したいので駅近くの安い宿を選んだ結果こうなりました。
その代り、さらに一本北側にはもっと怪しい商店や露店がずらりと並んでいて、そこで一山3ユーロのワゴンセールというか露店に山積みになっていた衣類のなかから靴下と下着とTシャツ合計3点を3ユーロで買うことができました。まあ、路上の100円ショップみたいなものですね。
駅での目標も衣類の買い替えも済んだので、午後遅くにはなっていましたが、スパッカ・ナポリあたりを散歩します。
今回持ってきた「地球の歩き方 ヨーロッパ」は分厚く、各国の主要都市は一応載っているのですが、どうしても各国編や都市別のシリーズよりは内容が薄く、地図もおおざっぱです。
それを持って歩いていたので少し道に迷ってしまいました。スパッカ・ナポリは夜に迷うとちょっと怖いエリアですが、まだ明るいうちですし、通りに人も多いので大丈夫だろうと、暫く適当に歩いていきます。
そのうちイタリア独特のプレゼピオ(キリスト教の物語を表すさまざまな人形や「東方の三博士」など有名なシーンを人形劇化したもの)のお店が並んでいるあたりに迷い込みました。
ここは初めて歩く場所でした。
「はっ」と思いました。もしかしたら・・・
何軒か並ぶプレセピオのお店の中に見つけました。
MFERIGNO(マルコ・フェリンンニョ)の文字を。
その時にアマルフィのカフェ・ロイヤルや当時まだナポリ東洋大学の学生だった、Marco Ferigno 氏が取材を受ける形で登場し、稼業であるプレゼピオづくりの職人になる、ということを決意表明しておりました。
その後ヨーロッパでは有名な職人になったようで、ナポリに行ったときは一度行ってみたいなあ、と思っていたのでしたが、いつもナポリに来てから思い出したため、まだネットなどあまり普及していない頃でしたのでどこにお店があるのかわからないまま過ぎていました。
お店の前に年嵩のお姉さまがいたので、とうの昔に錆びついたイタリア語で「マルコ・フェリンニョノオミセアルカ?」と尋ねると「シー」と笑顔で答えてくれました。
ワタクシもいい加減なもので「マルコ・フェリンニョ ユウメイアルヨ ニッポンデ」と、得意のベンチャラズをかますと、「マルコならいるからあわせてあげるよ」と思わぬ展開になってきました。
お店の奥に連れて行かれ「この人、お前のこと日本で有名って言ってるよ・・・(それ以降は何を言っているかわからず)」・・・そう言われてでてきたのがまごうかたなきSignore Marco Ferignio その人でありました。
だいぶ前から髪が薄くなっていたのは彼のHPで知っていましたが、ブルース・ウイリスばりのヘアー・スタイル?となって登場しました。
ワタクシも内心興奮しながら、ここからまた単語並べに近いイタリア語で「ワタチ アナタ ムカシノTVプログラムデミタアルヨ。 ソレミテ ワタチ イタリアゴ ベンキョウシ スコシハナスアルヨ・・・」
ワタクシの言わんとしたことはわかってくれたようで彼も半ば苦笑し、まずはコーヒーはどう?と一杯おごってくれ、それからはちょっとだけましな英語での会話となりました。彼は六本木に一週間「住んでいたことがある」と妙なことを言っておりました。
それから別の場所にあるいわば博物館みたいな場所に案内され、店の他の人に作品を説明をしてもらっていると、Marco氏もやってきてパンフレットと彼の作品紹介のDVDまでいただいてしまいました。
その上ミーハーなワタクシですのでごらんのとおりのツーショット写真までお願いしてしまいました。
忙しい時間(忙しそうなイタリア人っているんですかね?)にもかかわらず、いきなりの外国人、しかも商品を買いそうにもない輩にも気さくに応対してくれたMarco氏に感謝の気持ちでいっぱいです。
でっかいピザでした。やはりナポリのピザはこのもちもちさがなくてはいけませんね。
この日はたまたまイベントということで我々観光客も中にはいることができました。建物のあちこちからクラッシック音楽始めいろんな演奏が聞こえてきます。
最初はおおざっぱな地図をもとに適当に回ろうと始めたナポリ散歩でしたが、予想外の展開になった半日でした。