女はみんなこうしたもの
ヴェネチア2日目も天気は快晴でした。
今日は引き続きのんびり観光しました。
まずは朝、、Rialtoの停留所からヴァポレットに乗って対岸のAccademia停留所に向かいます。
そこから地図を片手に迷いながらアッカデミア美術館を見学します。
ここには16世紀頃のヴェネチア派と言われる画家の絵がたくさん展示されていますが、観光客は朝の聖か少なくゆっくり鑑賞できました。
ガイドブックによると、有名な作品はティッツアーノの未完成の「ピエタ」や壁一面が絵になっているヴェロネーゼノ「レヴイ家の饗宴」などとなっています。
ところが入口で入場券はくれますが、パンフレットをくれるわけでもないのでそれぞれの絵のそばに小さなイタリア語の解説と絵の図柄から、その絵を特定するのに骨がおれました・・・。
ところで、美術館に行く前の入り組んだ道を抜けると広場からこの塔が見えたのですが・・・。
実際に見るともっと傾いて見えるんですよ、この塔。
残念ながらワタクシの持っているおおざっぱな「地球の歩き方 ヨーロッパ」には何も触れられていませんでした。
美術館を出て、適当に道を進んでいきます。道と広場には必ず名前がついていますので、地図さえ持っていれば最終的には迷子にならないのですが・・・。
細い道を抜けていくと・・・
国際的にも有名なフェニーチェ歌劇場に出くわしました。
歌劇場は日本にはありませんし、海外でもはいったことはありません。
昼間からあちこちでオペラの切符を売ってますが、それは歌劇場ではなく別の場所で小編成でダイジェスト版の演奏をするようです。もちろん演奏家も一流というわけにはなかなかいかないようですね。
それはともかく、歌劇場にはガイドツアーがあると聞いていましたので受付で聞いてみると、なんと今日はモーツアルトのオペラの練習をツアーで見ることができる、と言います。
作品を聞くと、「コジ・ファン・トゥッテ((女は)みんなこうしたもの)」でした。
ロレンツォ・ダ・ポンテの脚本ですが、確か宮廷で実際にあった男女の事件をモチーフにした、割と軽めの作品です。CDは持っていますし、テレビでも上演をみたことがありました。
本物の歌劇場で リハーサルをちょっと覗くことができれば幸運だなあ、と思って申し込みました。
パスポートを預けて英語の音声ガイドをもらい、聞きながら歌劇場の中を見て回ります。別にガイドがいて案内されていくわけではなく、順路にしたがって自分で歩いていきます。
それほど大きな歌劇場ではないですが、それなりに施設は豪華にできているようです。
3階に上がると係員が座っていて、「ここに入りなさい」という感じで扉の奥を指さします。
するとなんとそこは3階の正面のバルコニー席でした。
リハーサルをやっているので、見学は邪魔にならないようにちらっとみてあとはホールでないところを見学するのかな、と思っていたのですが、そうではなく観客席にちゃんと座ってリハーサルをもろに見ることができるのです。
観客席では写真はダメでした。リハーサル中は照明を落としていますが、外に貼ってあったポスターを見ると・・・
こんな具合です。正面だとこの飾りみたいな席の隣ぐらいだったのでしょうか。照明を落としていても豪華さはわかりました。
きょろきょろしているうち、演奏が始まります。
なんと序曲から始まりました。つまり通しのリハーサルが始まるのです・・・。
1時間近く聞いていたでしょうか。もちろん全曲というわけにはいきませんが、CDで聞いてメロディーも覚えている部分をオペラ歌手とフェニーチェ歌劇場管弦楽団の演奏で、生で、目の前で、聞くことができました。偶然とは言え嬉しくてたまりませんでした。
リハーサルのため、オーケストラは私服、歌手も男性はGパンをはいていたり、ソプラノ歌手も普通の服装をしています。
舞台装置を見ると、なんだか航空会社のカウンターみたいで東京とニューヨークとローマ?の時計が並んでいます。
実際は18世紀後半の作品ですが、設定を現代に持ってきているので、私服ではなくて、これが衣装なのかもしれませんね。
とにもかくにも思わぬ楽しい歌劇場ツアーになりました。