パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

今日は日曜日。お休みです。

 5月12日 日曜日の朝です。ただいまスイスのツェルマットにいます。
 
 午前6時少し前の気温は1度。日本なら真冬の気温ですね。
 
 朝、ツェルマットの村はずれまで歩いて(5~6分ですけど)、モルゲンロートに照らされるマッターホルンを拝んできました。
 
 
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 さて、ミラノ2日目の5月10日は雨。午前中、鉄道で1時間くらい離れたベルガモを散歩。しっとりとした雨の静かな古都はとても気持ちが和みました。
 
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 午後はミラノにもどってスフォルツア城でミケランジェロのロンダニーニのピエタに面談。ピエタの前に据えられた椅子に座って「晩年の彼がどんな気持だったのか…」思いをはせようとして、居眠りしてしまいました。
 
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 サンタ・マリア・デレ・グラッツィエ教会も歩いて近いので、「最後の晩餐」の見学予約はしていませんが、ダメ元で行ってみましたが、やはりだめでした。ここは「ア~セラ~ズ、ムリセ~ズ、マタクリャ~イイ~」精神で気を取り直します。
 
  
 
 翌5月11日(土)はミラノからスイスに移動です。
 
 朝8時25分発のジュネーブ行の列車でスイスのブリークというところで乗り換えです。ブリークまでは予約(予約がないと乗れない列車なので。乗車券はパスがあるのでタダですが、予約手数料がイタリアでは10ユーロかかります。)していましたが、ブリークからツェルマットまでどうやって移動するのかがどうもよくわかりません。
 
 ブリークからツェルマットまでは有名な氷河特急(グレッシャー・エキスプレス)が運行されていますが、これも予約がないと乗れません。ワタクシはいつスイスに入るか日程が直前まで決められなかったので予約はもちろんありません。
 
 
 氷河特急とは別の列車でもツェルマットに行けそうなのですが、同じ路線なのか、それとも別の路線なのか、鉄道パスが使えるのか(ガイドブック等には使えないと書いてありますね)、なんだかよくわかりません。
 
 細かく下調べしていないせいもありますけど・・・。とにかくブリークとやらで降りて訊けば判るだろう、と列車に乗り込みます。
 
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 列車は拍子抜けするほどガラガラでした。これで予約なしでは乗れないというのも妙な話ですね。
 
 ワタクシの後に乗ってきたインド人は「Free.Frei.LIbero(予約されていない)」と書かれた座席に座りました。 改札のとき車掌が「予約がないと乗車できないですよ」と言うと、なにやら書類を出してOKになりました。ネット予約したPDFを見せたのでしょうね、きっと。
 
 
 国境というと、香港から中国のシンセンに行ったとき以外は全部空路でしか渡ったことがありません。鉄道で国境を超えるのは初めての経験です。
 
 イタリア最後の駅のDOMODOSSOLA駅を過ぎると、なにやら制服を着た人相の悪い2人組がやってきました。入国審査をやるのかなと思って「パッサポルト?」と訊いてみるといらないよ、という答え。
 
 制服の胸には「…FINANZA」と書いてありましたから、税関の職員なのかもしれませんね。ワタクシは何のお咎めもありませんでしたが、件のインド人はしつこく質問されていました。持ち金の額まで聞かれてましたね・・・。
 
 
 
 尋問も終わった頃、ようやくブリークに着きました。なんだかいつのまにかスイスに入国していたみたいですね。 EUになってからは、最初の入国地(ワタクシの場合はミュンヘン)で入国審査が終わればEU内は通行自由、ということをあらためて実感しました。
 
 人の流れに乗ってブリーク駅の外にでると、駅前にも別のホームがあって、あの「氷河特急」がホームに停車しています。ホームに表示された時刻表を見ると、氷河特急とは別にツェルマット行きの列車もあるようです。
 
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 再度ブリークの駅舎に戻り、窓口で鉄道パスを示しながら、これでツェルマット行きの列車に乗れるか尋ねると、係員は「これでは乗れず、別に切符を買う必要がある。ただし鉄道パス保持者は料金が25%割引になる」と教えてくれました。そこでブリーク⇔ツェルマットの2等往復切符を頼むと、54スイスフランだと言います。
 
 駅に着いたばかりでもちろんスイスフランを持っていません。ワタクシの困惑した表情がわかったのでしょう、係員は「ユーロで支払はOKだよ。でもおつりはスイスフランだ」と空港の免税店みたいなことを言うので、あわてて50ユーロ札で支払い、7スイスフランちょっとのお釣りをもらいました。・・・もうこのあたりで日本円換算不能状態になっております。
 
 
 
 係員に出発ホームを確認し、14番ホームに戻ってあらためて氷河特急を見ると、欧米人の年配の観光客がほとんどのようで、まだ昼前ですがすでにお食事中です。ははあ、これは食事つきの観光列車なのか・・・。
 
 ワタクシが乗る列車がやってまいりました。牽引する電気機関車氷河特急と同じですが、車両は普通のものです。ワタクシは2等車に乗り込みますが、すぐ隣で氷河特急の豪華昼食が丸見えです。
 
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 まだオフシーズンなのか車両はガラガラ(あとでVISPで多少乗ってきました)。
 
 金髪の可愛らしい若い女性車掌に「氷河特急の走る路線と、この2等車の走る路線は違うの?」と聞くと「同じよ」との答え。
 
 予約して高い料金を払うので、ワタクシはてっきり氷河特急は特別に設定された景観の良い線路を走るのものと思い込んでおりましたが、同じなんですね。
 
 それならこの2等車で十分だ、と持前のけちんぼ精神で納得します。
 
 ついでに可憐な車掌に「右側と左側とどっちが眺めがいいの?」と訊くと、彼女は笑いながら「両方よ。ある場所では右側、別の場所では左側、ということよ」と教えてくれました。 (実際はこんな流暢なやり取りではありません^^。趣旨は通じておりました。為念)
 
 この車掌さんは、あとで自分の言に従って場所ごとに右に左に席を移って(がらがらなので)景色を眺めているワタクシを見て大笑いをしてました。
 
 かくしてわが「氷河鈍行」は無事ツェルマットに到着です。
 
  
 宿に荷物を置いて、さっそく村を散歩しますが、いきなり村からマッターホルンが大きく見えるので感激しました。
 
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 気温は10度くらいで家人に言われて念のため持ってきたウルトラライトダウンジャケットを着ていないと寒いくらいです。
 
 
 このあとゴルナーグラート展望台に登山電車で登ったのですが、昨晩あまり睡眠をとっていなかったのと、旅の疲れのせいでしょうか途中で気分が悪くなってしまいました。
 
 ツェルマットの標高が1600mくらい。ゴルナーグラート展望台は標高3000m。今まで3000mなどという高度は経験がありませんのでやはり体にこたえたようです。
 
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 展望台についてもまだ具合が悪いですし、マッターホルンも雲に隠れてしまったので、大事をとって折り返しの電車で村に戻ります。ものの10分くらいしか展望台駅にはいませんでしたが、やはり体調が優先ですね。
 
 
 
 下界に降りてからはのんびり村を散策。何しろ狭い村です。日本人観光客も結構いますが、やはり多いのは中国語を話す観光客ですね。観光客の動静というのはもろにその国の経済状況を反映するようですね。
 
 
 スイスは物価が高いとは聞いていましたが、レストランのメニューを見るとスパゲッティでも2~3千円もします。遅い昼食で買ったサンドイッチも700円くらいもしました。美味しかったですけどね…。
 
 やむをえず、夕食はまたパンとワインとハムとチーズにすることにしました。買いに行ったCOOPという駅前のスーパーでも値段は日本の倍以上。「あれも倍♪これも倍♪みんな倍♪…」とやけになって鼻歌を歌い出してしまいます。
 
 
 パンもワインも出来るだけ安いのをさがします。ワインの値段のことだけなら、またイタリアに戻りたくなりました。肉製品売り場に移動します。どれにしようか、食品そのものより、値段シールばかりみていると店員が食品に割引シールを貼りだしましたので、じっと待っていて目当てのハムにシールが貼られてからおもむろに手に取ってレジに向かいます。
 
 なんだか海外旅行をしているのか単身赴任しているのかわからなくなってきますね。
 
 ちなみに別に買い求めた単4乾電池4本セットが500円以上します。画像の電池は4本で2400円以上。いったいどうなってるんでしょうね。責任者呼んでこい!と言いたくなります。
 
 ツェルマットは観光地なので余計に物価が高いのでしょうが、それにしてもスイスの人はよっぽど高額所得者が多いのでしょうね。
 
 
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 さて、今日は日曜日なので体を休めるためワタクシも特に観光はせずにツェルマットでごろごろしています。これも考えようによっては贅沢な話ではありますね。明日はインターラーケンに移動します。