DBにはお世話になりました
ですからミュンヘン市内の中心地に行ったり、どこか別の町に足を延ばす時にも毎日Uバーンを利用します。
切符を買うとき、もう嬉しくって自動販売機を抱きしめたくなりますね。もっと早く出会いたかったなあ…
切符は市内交通機関共通のものですが、無効な乗車券(刻印機を通していない等)を所持していた場合は理由の如何を問わず40ユーロの罰金が科されます。車内に掲示があちこちにありますし、車内放送でも繰り返し言われているようです。
実はワタクシは勘違いをしておりまして、今朝までは1枚1.3ユーロのシングル乗車券を買って刻印しておりました。
しかしながら、よく自販機をみると「4駅まで有効(ワタクシの駅から中央駅は3駅)」はいいのですが、「UバーンまたはSバーン(郊外行き電車)は2駅まで」という条件が付いていることを忘れていたんですね。ワタクシの宿から中央駅までは3駅ありますので、1.3ユーロの乗車券は無効になってしまいます。
そこで本日の帰りは2.6ユーロの正しいシングル乗車券を買って刻印して乗車したところ、途中の駅でガラの悪そうな男たちが数人どやどやと乗り込んできました。
実はこのガラの悪い輩は抜き打ちの検札だったんですね。乗客のうち長々と悪党面の男たちと話している人がいましたので、多分摘発されたんでしょうね・・・。
ワタクシもあのまま気が付かなければ危ないところでした。
ガイドブックによると「ローマ帝国のアウグストゥス帝に由来する、中世の雰囲気が漂う都市。15~16世紀には大富豪フッガー家のもとで黄金時代を迎え、ドイツ・ルネッサンス様式の建築・芸術が花開いた」(地球の歩き方)とあります。
その建築の代表が市庁舎です。
大聖堂は904年に着工されたものだそうで、内部はステンドグラスもかなり古いもののようでした。
大聖堂から5分くらい歩いたところにモーツァルトハウスがあります。残念ながら木曜日は休館日みたいで内部を見ることはできませんでした。
しかし、この町にあの神童を育てた教育熱心、野心も満々の父親が生まれ育ったのか、そして市庁舎や大聖堂を彼も仰ぎ見ていたのか、と思うと感慨無量でありました。
市庁舎の隣に高さ78メートルの塔がたっていて展望台に有料で登ることができます。狭い螺旋階段を息を切らして上って見た市内の光景はまた格別のものでした。
第二次大戦ではアウクスブルクも爆撃にあい、相当の被害が出ていたことが塔の内部に展示された写真でわかりました。写真は再建された現在の建物と戦争で破壊された建物が同じアングルで撮影されたものが両方展示されています。
ドレスデンでも感じたことですが、戦争により破片と化したわが故郷の歴史的な建物ひとつひとつを地道に再建するドイツ人の気力というか生真面目さには本当に驚かされるととともに敬意を表したいですね。
午後はいったんミュンヘンに戻り、そこからさらに南に足を延ばしてトラウンシュタインというところへ行くつもりでした。ここは観光地ではありませんが、ビールの醸造で有名なところらしく、ザルツカンマーグトで知り合った日本の方に教えてもらった場所なので、ミュンヘンに戻ってきたら行ってみようと思っていたところでした。
ところが日本でも報道されているようですが、旧東ドイツ側を中心に洪水の被害が甚大なようで、ザルツブルク方面の路線が洪水により不通となっていることわかり、トラウンシュタインはザルツブルクの少し手前の場所にあることから、今回はあきらめることになりました。
そこでいったん宿に戻り、今後の旅程についてじっくり検討をしました。
今回の旅行は、移動は鉄道を中心にしております。脈絡なく移動できるのもユーレイル・グローバルパスのおかげですが、もうひとつ頼りになる武器があります。
以前もご紹介したかもしれませんが、パスを買ったときに資料に乗っていたアプリで、時刻表がそのままアプリで検索できるすぐれものなのです。しかもオフ・ラインで使えますので、いつでもどこでも時刻表をチェックできるんですね。
たとえばの例で言いますと、午後6時ごろの指定でミュンヘンからアウクスブルクに移動したいとき、出発駅と行先駅を入力すると、ご覧のとおり候補の列車が選択されます。ちょっと早い時刻や遅い時刻も即座に検索できますし、時間や日付を変えればそれに見合った列車を即時に選んでくれるのです。
長距離、例えばミュンヘンからパリまでだと、接続も全部チェックして表示してくれます。
さらに停車駅ごとに到着時刻、出発時刻まで表示されるんですね。
すでに利用されている方もいるかもしれませんが、今回はこのアプリなしにヨーロッパを徘徊することはとても無理だと感じています。トーマスクックの時刻表も持参しましたが、ほとんどこちらのアプリに頼りきりですね。
そのアプリをもとに旅程を組み立てて予約を取ります。
ドイツはごく一部の高速列車以外は、その日に席が空いていればほとんどの高速列車もパスだけで予約も追加料金のなしで乗車できます。いわば飛び込みで乗車できるわけですね。
しかしイタリア、フランス、スペインの三カ国はごく一部の鈍足列車以外の列車はすべて予約が必要で、鉄道パスを持っていても予約料または追加料金が必要になります。
フランスの場合はパスで利用できる枠が少なく席が空いていてもパスの枠がいっぱいだと、運賃全額を払わないと乗ることができないという非常に厳しい制度をとっています。
したがってワタクシはこれからフランス・スペインを徘徊するので、早めに予約をしておかないとひどい目にあうことがありえるわけですね。
一方、ワタクシはヨーロッパの鉄道には無知でしたので一つの思い込みがありました。
ドイツはドイツ、スペインはスペイン・・・なんのことかというと、例えばスペイン国内を走る列車はスペインの鉄道会社でないと予約してくれない・・・と思い込んでいたんですね。
こちらに来て、実際に列車の運行を見てみると、例えばドイツの高速列車ICEがパリに乗り入れている・・・ドイツ人がパリ行きのICEの切符を買うのに、フランス鉄道会社の窓口で買うのだろうか・・・?
という疑問が生じたのですね。
いよいよフランス・スペイン入りする日程が近くなり、予定も固まりそうになってきたので、ケルン中央駅のREISEZENTRUM(直訳すると旅行センターですが、要するに緑の窓口ですね)のカウンターで、恐る恐る(何をバカなことを訊いてくるの、ムリに決まってるじゃない、と言われるのを恐れてました。ドイツ語で言われたら理解できませんけど…)窓口の女性に外国の予約もとれるの?と訊いてみたところ、拍子抜けするくらいあっさりとOKの返事でした。
それ以来、旅程が決まり次第、紙に日付、出発駅、時刻、到着駅、時刻、人数、等級、席の希望を書いて予約を取ってきました。