パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

アルヘシラスのお祭りへ行きました

 モロッコのタンジールから帰ってきて宿で少し休憩しました。
 
 そのあと、宿のアンチャンから話のあったお祭りに行ってみることにしました。宿のおかみさんにもう一度歩いてい行く道を教えてもらいましたが、もらった地図には会場の近くが載っていません。
 
 その点を女将さんに尋ねると「会場の近くに行けば、フランメンコのドレスを着た女の子がたくさん歩いているからすぐわかるわよ」と教えてくれました。
 
 
 
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 実際、子供も若い子も妙齢の女性もフラメンコのドレスを着て会場に向かう人がたくさんいましたので、すぐ会場もわかりました。なるほど・・・。
 
 
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 会場に行くと、すでにお祭りは佳境にはいっているようで、敷地内にたくさんのテントが設けられ大音響の音楽がそれぞれのテントから聞こえてくるので、会場全体ではものすごい音になっています。
 
 
 
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 それぞれのテントの中では老若男女が食事やお酒を飲みながら踊って歌って大騒ぎをしています。町が閑散としていたのはみんなここに来ていたからなのでしょうね。
 
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 テントはおそらくご近所・あるいは町内会単位かなにかで誰がどこのテントと決まっていそうな雰囲気でした。部外者がもぐりこむ雰囲気ではちょっとなさそうでしたし、歌って踊ってという訳にもいきません。
 
 そこでアンチャンが闘牛があるといっていたので、テント会場の隣にある闘牛場へ行ってみました。
 
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 切符売り場らしきところへ行くと、スペイン語しか話せないオヤジが飛んできて切符の話をしてきました。スペイン語がわからない、というと英語を話せる若い男を連れてきて通訳をさせます。
 
 一人54ユーロの席のチケットを売りつけようとしてきました。いくらなんでも田舎の闘牛にしては高すぎます。
 
 ワタクシが高すぎる!と文句を言うと、公式の料金だよ!いくらの席がいいんだ?と聞いてきました。
 
 たしかにチケットにはちゃんと54ユーロと書かれていましたが、窓口があるのに売りつけようとするのがなんだか怪しくてもう相手にしないでその場を離れました。
 
 オヤジと若い男はそれでも何か言っていましたが、相手にせずさっさと闘牛場から離れます。
 
 
 オヤジたちがいなくなったあと、もう一度入場券売り場に行き、狭い窓口に貼ってある入場料の一覧らしきものを見ると確かに54ユーロの席もありますが、一番安いのが19ユーロと書いてありました。
 
 今日の席なのか、もっというと本当に席の料金なのかスペイン語なのでよくわかりません。
 
 
 そこで窓口に顔を近づけて英語で訊いてみると、幸い窓口の女性は英語が話せ、今日の一番安い席が19ユーロであることが確認できました。
 
 
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 そこで早速1枚買い、もう入場できるというので闘牛場に入ります。闘牛場に入るのはもちろん初めてです。
 
 
 
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 闘牛場の席はコンクリートむき出しの素朴な席でした。座布団の貸出をやってましたがたぶん有料なのでそのまま座ります。
 
 缶ビールを売っていたので一本買い午後7時30分からの試合を待ちます・・・。
 
 
 陽射しが強い中・・・会場を見ていて窓口でもらった料金表と実際の席を見比べていてようやく納得がいきました。
 
 ダフ屋かと思ったオヤジが売ろうとした席はすでに日陰になっている席だったのです。
 
 つまり、低層の日陰の席が一番高く、高層の、つまり闘牛士と牛から一番遠くていつまでも陽射しがやまないワタクシの席が一番安い訳です。
 
 日陰になる席とならない席の間には鉄柵が設けられ、しっかり区切られています。
 
 
 
 午後7時30分、音楽と同時に闘牛が始まります。最初はセレモニーで闘牛士や馬が登場し会場を練ってのご披露になります。
 
 
 そして闘牛開始・・・。
 
 
 ワタクシは闘牛というのは闘牛士と牛が1対1で戦うのかと思ってましたが、主役の闘牛士以外に介添え役の闘牛士(衣装や牛を交わす布の色が違います)がいて、介添え役が最初に牛を挑発するんですね。
 
 そのあとに音楽と拍手とともに主役が登場します。
 
 しばらくは主役と介添え役が交互に牛を嬲ります。
 
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 そして主役が飾りのついた剣を6本~8本牛の首の後ろあたりに2本づつ見栄を切りながら刺します。
 
 次にいよいよ主役は長い剣をもって牛をひらひらとかわしながら牛を挑発します。 ここで何度もうまくかわすと「オレ―!」という掛け声が満場からかかり、手順が悪いとブーイングです。
 
 
 
 そしてクライマックスで牛の首の後ろに根本までズブリと長い剣を差し込むと満場から大拍手。うまく刺せないと何度もやり直しますが、会場からはブーイングの嵐になります。
 
 介添え役が首に刺さった剣を抜き主役に戻します。牛が暴れるのでこれがなかなかうまくいきません。
 
 
 このあたりで牛はもう首からだけでなく口からも出血し、息も絶え絶えです。ワタクシの席からは聞こえませんが間近かの席だと牛の荒い息遣いも聞こえたでしょうね。
 
 そして最後に主役が牛の眼と眼の間あたりをズブリと刺すと牛はがっくり膝をついて倒れます。急所を突かれたようです。
 
 そのあと介添え役が短い剣でとどめを刺します。
 
 
 哀れにも殺された牛は馬に惹かれて退場となります。
 
 
 
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 マドリッドあたりの闘牛は違うのかもしれませんが、アルへシラスの闘牛はこの繰り返しでした。3番も見るともう辟易してきます。
 
 やはり伝統の芸能?とはいえ、牛が殺されるのを目の当たりにするのはあまり気持ちのいいものではありませんね。
 
 
 まだ試合?は続きそうでしたが、3番を見た段階で会場をあとにしました。
 
 
 
 
 来たときは気が付きませんでしたが、お祭り会場にはディスコと化したテント以外にいろんな、日本で言えば夜店やゲーム、アトラクションがたくさん並んでいました。
 
 
 
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 どうもビンゴカードみたいなのを買って、ビンゴになると景品がもらえるというお店がたくさんありました。景品のいいお店が人気があるようですね。
 
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 もう午後9時を過ぎていますが、まだまだ明るく、ルミナリエみたいな照明が点灯する気配はありません。
 
 宿に帰ったときにその話を女将さんにすると、笑いながらお祭りは朝6時までやっているからちゃんと点灯するよ、ということでした。
 
 
 
 遠くジブラルタルの岩山が見えますね。
 
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 アルへシラス・・・ジブラルタル・タンジール訪問にお祭り見学となかなか充実した実質一日半の滞在でした。