パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

12月19日 コルカタ 3日目

 
  コルカタ3日目です。
 
 昨日初めてパラゴンホテルの前で出会ったS氏。関西弁を操るインドの「怪人」です。
 
 日本語を話すインド人はサダル・ストリート周辺でも何人か出会いました。
 
 こちらが日本人と見てとると向こうから話しかけてきます。残念ながらそういう連中はそれこそ怪しいインド人ばかりでした。そういう類のインド人は相手にしないことにしていました。
 
 S氏はそういう点ではワタクシの方から声をかけたのでちょっと違うケースです。
 
 
 
 そんなS氏と雑談しているうちに、「ハウラー駅で茫然」とした話から、鉄道での移動をあきらめ飛行機での移動を検討している、との話になりました。
 
 するとS氏が知り合いの旅行代理店を紹介してあげる、と言います。
 
 
 実はすでに宿のスタッフにも旅行代理店を紹介してもらっていたのですが、あまりにも貧弱な店構えだったのでそこに相談するかどうか躊躇しているところでした。
 
 
 
 インドではバックパッカーが旅行会社に騙された、という話は枚挙にいとまがないくらいガイドブックに載っています。
 
 かといってネットで航空券を購入するにもプリンターもありませんし、言葉もろくに通じないインドで自分ひとりで手配するのはなかなか困難であるのも事実でした。
 
 したがってどのみちどこかの旅行代理店に頼まなければなりません。
 
 
 
 S氏は昔からネットでは有名人で、長年サダルストリートで商売をしています。
 
 もし日本人相手にアコギな商売をしていたら、とっくに悪評がたっていたことでしょう。しかし自分の知る限りではそうした評判はないようです。
 
 
 そこで彼に頼んで旅行代理店を紹介してもらうことに決めました。
 
 
 旅行代理店を決めるのにもあれこれ余計なことまで考えなければならないのもインドならではでしょうか・・・。
 
 S氏が案内してくれた旅行会社です。この界隈では立派な店構えのほうです。この店舗を見るとワタクシが躊躇していたという旅行代理店がどんな店舗だったか想像がつくでしょう。
 
 個人商店みたいなものですが、父親の代から仕事をしているとのことでした。代表のH氏はまだ若く、イスラム教徒でした。日本の感覚からいうとちょっと「恐い」顔の人です。でもインド人の人相はまだよくわかりませんからね。
 
 
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  S氏も同席のもと、H氏に訪問希望地とスケジュールの概要を伝えると、飛行機の概算の料金を計算してくれました。
 
 正直言って相場がわかりませんが、コルカタバンコクエアアジアの料金やアジアを徘徊したときの航空運賃から考えると、法外な料金とも思えません。
 
 隣に座っていたS氏いわく、悪徳旅行会社だとこの時点で金を払わすが、この店はそんなことはせーへん、とのことでした。
 
 こちらの希望はコルカタの次はバラナシに行き、それからアーグラーに行きたいというものでした。
 
 H氏によると、コルカタ→バラナシの直行便は本数が少なく高額になるので値段が安く、本数も多いデリー経由便を薦めてくれました。
 
 また逆にデリー→アーグラーは距離も短く、本数も多いので鉄道での往復を薦められました。
 
 やり取りの半分くらいはS氏の通訳を挟んででしたが、話の進め方や内容からH氏は信用できそうだ、という感じがだんだんしてきました。
 
 
 
 ワタクシの宿ではクレジットカードを受けつけてくれませんでしたが、H氏の店も現金のみの取扱いでした。しかしインドルピーの現金はあまりないですし、ATMで引き出せ次第インドルピーの現金で支払うことにして、この日はデポジットとして日本円を1万円だけ預けることにしました。
 
 そして19日にはパスポートを持って店に来ることになりました。
 
 この店は飛行機のeチケットは取り扱えるのですが、鉄道切符は発行できないのでH氏と一緒に買いに行くことになったからです。
 
 
 
 こうして昨日インド移動の切符のとりあえずの手配を終えてコルカタ3日目を迎えます。
 
 しばらくインドにいることになりますので、まず携帯電話のSIMカードを買いに行きます。
 
 
 コルカタの携帯ショップといってもこのあたりでは・・・
 
 
 
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  だいたいこんな店が軒を並べています。間口一間という感じですね。
 
 
 写真↑の右端の店でボーダフォンのSIMカードを買います。インドは広いので一定のエリアを超えるとローミングになってしまいます。したがってカバーしているエリアが多い会社のカードのほうが旅行者にとって必要になります。
 
 そこでボーダフォンのカードを買うことにしました。チャージを含めて850ルピー(1700円)でした。
 
 携帯電話はベトナムで買った廉価版のものですが、操作方法は国を超えても共通なようで、店の人は何の苦も無くピコピコ操作してチャージしてくれました。
 
 
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 昼過ぎに約束通り再度H氏の店に行きます。
 
 H氏の案内でタクシーに乗り鉄道の切符を買いに行きます。
 
 行先はハウラー駅とは別のところにあるイースタン・レイルウェイ予約オフィス。ここには外国人専用のチケットオフィスもあります。
 
 
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 コルカタのタクシーはほとんどがこの黄色いTATA社製のごっつい車です。乗り心地はあまりよくありませんが、馬力だけはありそうな車です。
 
 途中で信号で止まると運転手が降りてしまいます。
 
 あっけにとられているとH氏が信号待ちに時間がかかるから、と笑いながら説明してくれました。インドではちょっとしたことでも何があるかわからないので油断できませんね。
 
 
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 今日買うのはデリー⇔アーグラー往復の切符です。
 
 理由はわかりませんでしたが、往路と復路で窓口が異なります。往路(デリー→アーグラー)は外国人専用窓口。復路はインド人が並ぶ一般の窓口で買います。
 
 
 
 最初に往路の窓口で整理番号のついた申し込み用紙を、一般窓口で整理番号のない申し込み用紙をH氏が手に入れてくれました。
 
 本来は自分で記入するのでしょうが、ワタクシが書いたのは署名だけ。後は全部H氏が書いてくれました。
 
 
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  外国人窓口の整理番号はかなり先の番なので、先に復路の一般窓口に並びます。
 
 そしてそれからおよそ1時間20分並んでやっとのことで復路の切符を手に入れました。
 
 なんで大した人数が並んでいるわけでもないのにそんなに時間がかかるのか・・・
 
 
 ①一人に対しやたらめったら時間がかかる。
 
 ②現金のみの取扱いのようで、札を一枚一枚光にかざして真贋をチェックする。
 
 ③端末機は時代物のブラウン管のような古い代物で操作も北辰一刀流でやたらと時間がかかる。
 
 ④2列で並んでいたら、ハゲオヤジの係員の方が、突然金勘定を始め、まだ客が並んでいるのに  
      どこかへ消えてしまった。並んでいる客の大ブーイングにもかかわらず、そのハゲはそのまま  
       帰ってしまった。
 
 ⑤残りの一列のおばはん係員も金勘定をはじめたので、やばいと思ったら担当者が変わった。
 
 ⑥客は客でロクに準備もせず、自分の順番になってから あーでもないこーでもない と係員とや
      り取りして切符を決めている(ように見える)
 
 …等、とにかくなかなかはかどらず、とうとう1時間20分もかかってしまいました。
 
 
 
 やっとのことで一般窓口で切符を手に入れて、再度外国人窓口に行くと、今度は入口の警備員が変わったらしくH氏を中に入れてくれません。
 
 やむなく一人で中に入って自分の順番を待ってカウンターに行きます。
 
 
 ところが、今度は窓口のひげ爺が、
 
 「デリー~アーグラー間はたくさん便があるのに、なんで予約する必要があるんだ」
 
 「なんでこの時刻の列車にするのだ」・・・
 
 等々日本だったら「無礼者!」の一言ですむようなことを尋ねてきます。
 
 通じたかどうかわかりませんが、英語で適当な答えを言って何とか切符を発行してもらいます。
 
 単に仕事嫌いのひげ爺だったのかもしれませんね。
 
 
 とにもかくにもへとへとになりましたが、なんとか切符を手に入れることができました。
 
 デリー⇔アーグラーの往路が345ルピー(790円)、復路が300ルピー(600円)。なんだかずいぶん安いですね。
 
 
 
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 この間一緒にずーっと並んでいるH氏の姿を見ていて、これなら彼は信頼できるな、と感じることができたのは収穫でした。
 
 
 再びタクシーでH氏の店に戻り、今度は店でeチケットを発行してもらいます。幸い今日はATMが稼働したので、現金で料金を支払いデポジットの1万円を返してもらいました。
 
 
 
 
 昼食がまだだったのでH氏が出前でインド料理のビルヤーニを取ってくれ、ご馳走してもらいました。インド風ピラフといった感じでしょうか。御飯が非常に長細いのが印象的です。お味は悪くないですね。H氏はムスリムなのでお肉はもちろんチキンです。
 
 
 
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 そのあとS氏も店に来てくれ、S氏との話で明日20日にS氏の案内で車で市内を案内してもらうことにしました。
 
 H氏、S氏への信頼感も増したことと、ちょうど足も痛みがひどくなっていたので、もちろんお金は払いますが名所はあまり歩いていないのでお願いすることにしたのです。
 
 
 
 その打ち合わせを兼ねて、という訳ではありませんが、この日の夜、S氏とはサダルストリートにあるSUPERPUBというお店で一杯やって懇親を深めます。
 
 S氏は日本語に不自由しませんのでこちらも楽ですね。
 
 ホテルは別にして、このあたりで酒を飲ませる店は多くないようですが、このPUBは観光客だけではなくインド人も利用しているようでした。
 
 
 
 顔はネットで知っていたS氏に話しかけたことがきっかけで、あれよあれよという間に今回も思わぬ展開になってしまいました。
 
 日本から遠く離れたのコルカタの片隅でインド人と酒を飲む…なんだか不思議な感じですね。