ヤンゴン散歩② ヤンゴン環状線
今回のワタクシの旅はヤンゴンだけぶらぶらするつもりでしたので、パッケージ・ツアーではあまり行きそうもないところも散歩してきました。
宿泊しているチャイナタウンからとぼとぼと歩いてヤンゴン中央駅に向かいます。
駅の近くの橋から駅構内の線路を眺めますが、なんだかひなびた感じですね。
駅舎の中はそれなりにきれいになっていました。
朝方だったのでまだそれほど気温も高くなく、冷房はないようですが、中はまだひんやりとしていました。
駅の様子は誠にのんびりしたものでした。ホームが低いので列車が着くたびに大勢の人が線路を勝手に横断したり、子供を遊ばしたり・・・。
朝の日向では犬っころがあちこちで気持ちよく寝ています。
7番線ホームに環状線の切符売り場がありました。
といっても英語表記はほとんどありません。コンピュータ―をいじっている女性に「カンジョウセンチケット ココアルカ?」と尋ねると、このブースで売っていると教えてくれました。この子は英語を少し話せましたね。
わが環状線の切符です。列車は冷房のあるものとないものに分かれます。車両で別れるのではなく、全車両が冷房付きか、冷房なしかということでした。
せっかくですからローカル色が楽しめそうな冷房なしの列車にしました。環状線を一回りして200Ks(チャット)、日本円で20円!ちなみに冷房付きは300Ksでした。
日付と切符の番号らしき数字以外は何が書いてあるのかまるで見当がつきません。
冷房なしの列車の発車時間までしばらくあるのでホームで時間をつぶします。
まずはお菓子らしきものを売っているお姉さまがいたのでひとついただきます。
英語はほとんどは話せなくても数字だけは観光客相手の商売には必須のようで、ちゃんと「ツリーハンドレッ」と言ってました。300Ks、30円ですね。
小麦粉を揚げたものに砂糖を溶かしたものを塗ったようなお菓子です。香ばしくて甘くてなかなかおいしゅうございました。
ホームにはどっかで見たような車両が往来しています。JRで使っていた車両が第二の人生をミャンマーで過ごしているようです。
ホームが低く、日本仕様のままですので乗客は乗り降りが大変のようでした。
ワタクシが乗った車両は冷房設備がない、ついでに扉もない誠にお手軽なものでした。これはJRのものではないようでした。日本製は冷房車両ですね。
車内はがらんとしていて床は板張りです。扉がありません。なぜか床に野菜くずが落ちてます。
椅子はプラスチック製の長椅子でした。環状線は38駅あり、各駅停車で1周するのに約3時間かかりますが、そんなに長く座っている人はあまりいないということでしょうか。
座り方は自由奔放であります。
動き始めてしばらくして、それほどの長距離でもないのに3時間もかかる理由がわかりました。
線路が十分整備されていないのか、とにかく揺れます。縦揺れがひどく、スピードを出すことができないようです。
あとでガイドブックを読むと平均時速は15キロくらいと書いてありました。
その代り、周囲の景色をのんびり楽しむことができますね。開けっ放しの窓や出入口から風が吹き込んできてとても気持ちがいいです。
こんな芸当ものんびり走るからでしょうね。
駅に着くたびにいろんな物売りが乗り込んでは次の駅で降りて行きます。そしてまた別の物売りが乗り込んできます。
ヤンゴン中央駅を出るとすぐにのんびりした田舎風の景色になってしまいますが、車内の様子を見ているのもまた楽しいものでした。
隣に座っていたお姉さまは、ワタクシが駅に着くたびにガイドブックを出して駅の名前を確かめているのに気が付いたのか、そのあと駅に着くたびに駅名を教えてくれました。
そんな彼女が、ダニュインゴン駅に近づくあたりで反対側の席に移るように指さして教えてくれます。
この駅には大きな市場があるようで、そっちの席の方が市場が良く見えるのかなぁと思い、席を移ってまもなくダニュイゴン駅に到着しました。
すると・・・
窓からどんどん野菜の入った袋が放り込まれ、あっという間に車両が野菜袋で一杯になってしまいワタクシも身動きが取れない状態に。観光客はあっけにとられたあとは苦笑するほかありません。
お姉さまは、荷物の運び込みで混乱するから席を移った方がいいよ、と教えてくれていたのですね。
動き始めると中には葉物野菜の品揃えを始める人も。へたった葉は容赦なく取り払われ、開いている窓からポイポイと捨てられます。
乗り込んだとき野菜くずが落ちていたのはこのせいなんでしょうね。
このあと車掌が改札にきましたが、足の踏み場がないので野菜がぎっしり詰まった袋の上を歩いて切符を売っていました。
3時間で20円のなかなか楽しいツアーでありました。