北京散歩行⑥ 2日目 頤和園散策
北京北駅で万里の長城行きの切符を手に入れた後散歩を続けます。
頤和園は故宮から直線距離で西北へ約10kmのあたりに位置します。そこに至る交通手段はバスが一般的ですが、北京北駅からは、すぐそばにある地下鉄の西直門駅から10号線に乗り、北宮門駅でおりると二つの出入口のひとつ北宮門が近くにあります。
名古屋にいる時に栄の中国料理店の「頤和園」で宴会をやったことがあります。そのとき「頤和園」のことをまったく知らなかったため赤っ恥をかいたことがあり、本物を訪問することによりそのときの恥をようやくすすぐことになります。
昆明湖も乾隆帝が江南地方の西湖に模したものとされ、帝は江南地方の風景をこの庭園にうつしました。1860年には英仏連合軍の破壊によって廃墟と化しましたが、かの西太后が再建し、「 頤和園」と名づけました。蒼穹の昴でも紫禁城を離れ 頤和園を訪れるシーンがたびたび出てきましたね。面積は約290万㎡という広さです。中国の皇帝の力というのはすごいもんですね。
北宮門はいわば裏門に当たるようで、入場するとすぐ乾隆帝のお気に入りの蘇州の街を再現したエリアに出ます。ここはワタクシの買った入場券では入れず、別途料金が要るので見るだけにしました。
万寿山に登るのにはかなり急な坂道を登ります。天気もよいので汗だくになり息を切らしながら階段を登っていきます。
山を登りきると頤和園のシンボル的建物である仏香閣が見えてきました。写真などでよく見る風景を裏側から見ていることになります。
仏香閣は8角3層で高さは約36.5mの建物です。ここも英仏連合軍の破壊により消失し、西太后が再建しました。西太后は頤和園の再建には並々ならぬ意気込みだったんですね。そのため海軍の戦費を横流ししたとかいう説もあるやなしや・・・。
屋内には明代に製作された千手観音が安置されています。
仏香閣からは急な階段を降ります。
昆明湖のほとりまで出て仏香閣を仰ぎ見ました。この光景は写真でよく見かけるものですね。
昆明湖の北岸に沿って長さ728mの長廊があります。日差しは強いのですが、湖からの風が心地よく観光客には格好の休憩場所になっています。回廊の天井や梁、欄干には花鳥画、風景画、歴史画などが極彩色で描かれています。
この回廊も1860年に消失したものを再建したものでした。・・・まったく欧米列強は身勝手な理屈で貴重な歴史遺産を台無しにしたんですね。もっとも中国の歴史の偉大さを彼らは理解できなかったのかもしれませんね。
今でもアジアの富を奪うという点では欧米列強の本質的な略奪体質は変わっていませんね・・・中国の歴史遺産を歩いていると思わず鬼畜米英・尊皇攘夷になってしまいました。
回廊はちょうど日陰になりそよぐ風も心地よく寝不足のワタクシも欄干に横たわって居眠りしたくなります・・・。
この岩みたいな塊は中国で一番大きな庭石と言われているものです。
明の時代、ある官僚が北京の房山とうところで巨石を見つけ、自分の庭園に運ぼうとしましたが、経済上の問題で北京の郊外に放置せざるを得なくなりました。その後乾隆帝が巨大な資金をつぎこんでこの場所に移送し「青芝岫」と名づけました。「青くて霊芝に似ている」のでこの名になったとありますが、ワタクシにはあまり青くは見えなかったんですが・・・。
のんびり散歩も終り、出口を見つけるのに少し時間がかかりましたが東宮門から退出します。
さて、ここから北京市街に戻りますが、東宮門は来るときに降りた北宮門駅からはかなり離れています。そこでバスターミナルに行って市街地へ行くバスを探します。 ガイドブックによると北京動物園に行くバスが便利そうでした。北京動物園には地下鉄の駅もあるからです。
北京動物園行きのバスは二両連結のバスでした。もちろんICカードで乗車できます。動物園までどのくらい時間がかかるかはわかりませんが、終点ですので乗っていればいいので楽ですね。
バスの連結部です。この丸いところを中心に前後の車両が曲がるんですね。
バスに乗ってしばらくすると地下鉄の駅らしきものが見えてきました。地下鉄で行けばバスよりは早く中心街に行くことができます。
バスでのんびり行くことも魅力的ではありますが、何しろ2日間しかない強行日程ですので次の停留所でバスを降りて駅から地下鉄に乗り直して中心街に向かいます。(つづく)