パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

彼らの冒険心に脱帽です。

 新聞の書評を見て本を選ぶことが最近多くなりました。

 この本もそのひとつです。

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/9f/17/yhamalfi532006/folder/1593332/img_1593332_48772916_0

 本書はキューバ危機の頃の1962年にアメリカ人・フランス人・スペイン人合計9人が、スペインか

バハマ諸島のサンサルバドルを目指した無謀ともいえる4か月にわたる航海冒険譚のノンフィクション

です。


 なぜ無謀かというと、コロンブスアメリカを発見した時に乗船した帆船を小ぶりに再現した「ニーニ

ャⅡ世号」に乗って、近代的装備をまったく使わずに470年前とおなじ状況で、しかもコロンブスが渡

った同じ航路で大西洋を横断に挑むというとんでもない快挙(暴挙?)に挑戦したからです。おまけに

食糧までもコロンブスが積み込んだものを忠実に再現しました。



 アメリカ人の航海長ロバート・F・マークスが原作を発表するとアメリカではベストセラーになったの

ですが日本では全く知られず、今年になって翻訳され日本語版が発売されました。


 本書を読むと、当時は風をたよりに大西洋を渡ることがどれだけ困難なことかが想像されます。とくに

今回の航海では、おおらかというかずさんな管理のために積み込んだ食糧や水はすぐに腐敗し食べられな

くなったり悲惨な状況でした。

 そのかわり積み込んだ酒(樽ワイン・ラム酒・ブランデー…)で乗組員は乾きを癒しました。読み進ん

でいくと9人の乗組員は、航海中は四六時中酔っぱらっていたようです。塩水も飲んでいたようですね。



 西欧人の冒険心とパワー(そして危険に対していい意味で無頓着でいられることも)はすごいもんだと

いうことが実感できる本でした。



 余計な感想ですが、原作の題名は「ニーニャⅡ世号の航海」というタイトルなのに、日本語版のタイト

ル「コロンブスそっくりそのまま航海記」はもう少しなんとかならなかったのかなあ、という気がしない

でもありませんネ。