パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

「②成田空港一泊ツアー・バルセロナ観光付き」  Unfortunately・・・

(この記事は2018年1月22日から27日のバルセロナ弾丸ツアーの記録です)

1月22日(日)続きです。

66番搭乗ゲートで搭乗をじっと待ちます。みんなぐったりと疲れています。

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外を見るとだんだん雪の降り方がきつくなってきました。

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予定の搭乗時間を過ぎてもなかなか搭乗案内がなく、しばらくするとエミレーツ航空から雪の状態が悪くまだ搭乗予定がたたない、との放送が。

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事態はかなり悪い方向へ行っているようです。

ゲート付近のテレビでは日本中の大雪の模様を放映しています。…画面には「成田空港は閉鎖」などと不吉なテロップが流れるではありませんか…

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それでも予定の搭乗時刻をだいぶ経過したあと、「機長の判断で搭乗することになりました…」との放送があり、搭乗ゲートの重苦しい雰囲気が一瞬和らぎました。

…機長の判断…ということは空港当局はまだ離陸をOKしていないんだろうなあ…どうも状況を悪い方へ悪い方へと捉える癖がここ数時間でついてしまったようです。

とにもかくにも静かに搭乗し、自席で次の案内を待ちます。

離陸予定時間はかなりすぎています。

すると機長から「当機に積もった雪を除雪するには20分程度しかかからない。ただ、当機は離陸を待つ列の6番目にいて、先の5機の機体に付着した雪を取り除くのに2時間くらいかかる…」との放送がありました。queueという単語を使っていたのでイギリス人の機長だったのかもしれません。


ワタクシは数日前から喉の調子が悪く、3日間お酒を我慢していたのに、さらにのどの痛みと咳がひどくなっていました。

看守長も風邪を引いたようで盛んに咳をしています。

JTBからは、あらかじめ「予定の便がキャンセルされた場合は、ツアーの形をとっているので自動的にツアーもキャンセルされ、料金も全額払い戻しになる」と聞いておりました。

この時点では「どうも無理そうだ」と判断せざるを得ず、二人とも体調も良くないし、キャンセルになったらバルセロナ旅行は取りやめ、どうせ1週間空いているので、2日ばかり体を休めてから新幹線で看守長が熱望していた函館に行くか、と真剣に相談していました。

そして、ついに「Unfortunately…」という出だしで機長から「当機のフライトはキャンセルされた」との放送がありました。

機内には失望の溜息が充満しましたが、天候が天候だけにそれほどの動揺はなかったように感じました。


つづいてキャビン・クルーから「席はそのままでいてほしい、これから機内食を食べてていただく…」との放送がありました。

もう電車のある時刻ではありませんし、成田空港で一晩過ごすことになりそうなので食事を出してくれる、ということなのですね。

地上に停止している機内では初めての機内食をいただいたあと、いったん搭乗ゲートに戻ります。上空と同じようにお酒もいただきました。

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搭乗ゲートで改めてエミレーツ航空のスタッフから、飲み物と寝袋が配られました。

さらに、空港内はキャンセル便で成田宿泊を余儀なくされた乗客であふれているので、出発ロビー等に戻るより、搭乗ゲートで泊まったほうがスペース的にも余裕があると教えてくれました。

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あとでわかったことですが、ロビーは寝泊まりする乗客でごった返していたようです。おまけに床が堅く同じように寝袋を使ってもゲート付近の床のほうがはるかに寝やすいようでした。


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まさかこんな事態になるとは思いもよりませんでしたが、一方でこうなったらめったにできない経験だから(二度としたくないけれど)楽しもう、という半ばやけくそ的な気持ちになっていたのも事実です。

朝の成田空港です。

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朝になると朝食と飲み物が配られるとともに、23日の夜9時過ぎの便で全員予定の目的地までの席が確保できた、との放送がありました。

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念のために職員に個別に訊いても、バルセロナまでの席は確保されていると確認できました。夜中の間に乗客一人ひとりの目的地までの再確認と席の確保をやってくれていたようでした。

当初は函館へ行こうか、と考えていたのは先に書いたとおりです。
エミレーツ航空の対応を踏まえ、JTBとも連絡を取って再検討しました。

その結果、帰国便は変わりませんので、バルセロナには実質2日しかいないという弾丸ツアーになりますが、看守長もこのまま夜まで待って次の便でバルセロナに行こうという気になっていました。

ワタクシが持参した抗生物質を服用して体調がいくらか改善したこともあったのかもしれません。もしかしたら、成田から自宅に帰るのが面倒くさかったのかもしれませんね。

あとで聞いた話では某旅行会社のスペイン周遊・添乗員付きツアーでは30名のメンバーのうち10名がこの時点で旅行をキャンセルしたそうです。お年寄りには体力的にはきつかったのかもしれませんね。
ワタクシたちもけっして若くはありませんけど。


さらにエミレーツ航空からは放送だけでなく文書でちゃんと次の便の案内を配ってくれました。

おまけに一人2000円分の食事券まで配布されました。

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かつてカルカッタコルカタ)で霧のために欠航になった時、その夜中発の某エア・アジア航空は「私たちの責任ではない」というだけでコップに一杯の水はおろか情報の一片も乗客に与えてくれませんでした。

いくらLCCとはいえ、あまりの冷たい対応に、ワタクシも含め少なからずの乗客が「二度と某エア・アジアのコルカタバンコク線には乗るもんか!」と固く誓い合ったのとは大違いですね。