すごい迫力でした。
行方不明になっていた岡本太郎画伯の壁画が渋谷に展示されることとなった、とのニュースは知ってい
たのですが、渋谷駅で酒は飲んでも壁画を見に行くこと失念していました。
このたび、 ふと思い出して渋谷に壁画を見に行ってきました。
ークシティへ続く広い通路の壁にどどーんと飾ってあります。
予想以上に凄い作品であります。作品名は明日の神話となっ
ていますが、とにかく、何かこう…画伯のエネルギーがほとばしるのを感じさせる作品です。
縦5.5メートル、横30メートルの大きな作品ですが、全部で14枚のパネルに描かれていました。
濃い青を基調とした背景の中で、中央に描かれた白い仮面をかぶったような人間?はレリーフのように
浮き出ています。
絵画についてはあまり知識がなく、ただただ美しいなあ、と思うことはあります。
ところが抽象画なんぞになると、つけられた「タイトル」と絵がどうしても結びつかず、「いったいこ
の絵は何をいいたいのだろう?」と戸惑うワタクシであります。
そんな絵画音痴のワタクシが、はじめて「明日の神話」を目の前にして感じたイメージは…
原始の時代、自然が圧倒的な力を持っている中、まだ文明も技術もない人類ではあっても、未来に向
かって力強く羽ばたこうとしている…
こんなものでした。
壁画のところどころに大勢の人間が火を持って輪を作っている場面が描かれています。それを見て頭に
浮かんだのがストラビンスキーの「春の祭典」のメロディーでした。あの力強いリズムと不協和音がこの
壁画にぴったりだ、と強く感じたのです。
家に戻ってからあらためて調べてみると、この壁画は実際には「原爆問題」について描かれたようです
ね。輪を作っている場面も原爆の炎に焼かれるシーンなのかもしれません。白い人?も原爆がさく裂した
ところなのでしょう。
自分のトンチンカンな解釈にあきれるばかりですが、芸術作品の解釈はやはり難しいものですね。
でも原爆の悲惨さも訴える作品ならば、渋谷ではなく、広島か長崎に展示されたほうがふさわしかった
のかもしれませんね。
いずれにしろ一見の価値がある作品であることは間違いなさそうです。