パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

ソウル散歩行④ 1日目 明洞で「撃つ」

ソウルは東京より西側に位置していますので、この時期は日没・日の出時刻には1時間ぐらいの差があるそうです。東京に比べ夕方は1時間遅く日が落ち、朝は日の出が1時間遅いというわけですね。
 
空港から車で走ること1時間を過ぎ、漢江の向うに大きな太陽が落ちる頃ようやく空も暗くなってきました。Kさんから31日のホテルのピックアップ時間が午前6時30分になることが告げられました。ただ現在の天気予報では31日は雪の見込みであり、雪が積もると空港までの時間がかなりかかるのでピックアップの時間はもっと早くなること、その場合の事前連絡のために携帯電話の番号を訊かれました。
 
 そうこうするうちに車はソウル中心街に進み、ロッテ百貨店を左に通り過ぎ、大きな交差点を右折すると、地下鉄の入り口付近でいったん停車します。Kさんが「この右側が明洞ですよ」と教えてくれたので3人にお礼とお別れの挨拶をして車を降ります。日は完全に落ちてもう夜です。店のネオンが輝いています。
 
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 一人になり歩き出しては見たものの、自分がどこを歩いているのかわからなくなってしまいました。
 人通りは少なくないので、誰かに訊いてもいいのでしょうが、とりあえず後ろが無防備にならないように建物に背をつけて寄りかかり、地図を取り出して自分の場所を確かめます。しかしなかなか現在地が確認できません。
 
しばらくあたりをウロウロしたあと、ようやく位置を確認する手がかりになる「ロイヤルホテル」「ノビチブ」という飲食店の看板を見つけました。ホテルは英語、「ノビチブ」は日本語で書かれていましたので見つけることができましたが、ハングル表示だったらずっと迷子のままだったでしょうね。
 
 ようやく地図で自分の位置を確認すると、想定していた明洞エリアの南側の入り口ではなくエリアの北
側にあたる地下鉄乙支路入口駅のそばで降ろしてくれたことがわかりました。現在地さえわかればあ
とは地図を見ながら目的地にすすみます。
 
 仁川空港では両替しませんでしたので、手持ちの現金は成田で両替した5千ウォンだけです。
 そこで本日の最初の単独行動は両替になりました。めざすは明洞のセブンイレブンです。そう、この
セブンイレブン公認両替店も兼ねているのです。しかもコンビニですから24時間営業。レートも良い
と聞いています。
 
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 狭い通りを南に地下鉄明洞駅に向って歩いていくと右手にセブンイレブンが見えてきました。思ったよ
り小さな店でしたが、店頭には両替店を示す大きな看板がありました。
 
 
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 店内に入ると、一応商品は陳列されていましたが、日本では見たことのないほど狭いスペースでした。
キャッシャーには両替をする客と買い物客が混じって並んでいるようでしたが、両替であることを示すと
キャッシャーの前にくるようにいわれすぐ両替をしてくれました。店員は日本語が達者なので不便は全
く感じません。
 
 成田空港でのレートは1円=12.08ウォンでした。セブンイレブンでは1円=14.54ウォン
でした。2万円を両替しましたので、もし成田で2万円両替していたとすると、差額は4万9400ウォン
にもなります。優に夕食代1回分以上の差がありますね
 
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                 一応レシートもくれました。あっさりしてますけど。
 
 
成田空港で両替した5千ウォンと合計すると、2万414円29万5千800ウォンを買ったことになりますので今回の散歩では1000ウォン=69.0円というレートになりました。(ちなみに成田の京葉銀行のレートは1000ウォン=82.8円でありセブンイレブンより20%も高いことになります)
 
 さて、男の道楽というと昔から「飲む」「打つ」「買う」なんてことを申します。(なんだか落語みたいな口調ですね) 
 昨今のストレスフルな社会では病の薬を買っ飲むことを意味する、なんて笑えないジョークがありますが、それはさておき、今回のソウル弾丸ツアーは徘徊する時間が短いことから、ソウルならではのことをやってみようと思い立ち、旅のテーマを・・「飲む」「撃つ(打つ)」「食う」としました。
 
そこで第1日目の明洞の夜は「撃つ」をテーマにすることにしました。
 
ということでやって来たのが地下鉄明洞駅から歩いてすぐの雑居ビル。 
12階には「明洞実弾射撃場があります。そう、ここでは本物の拳銃で実弾射撃を経験できるのです。
 
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しかも係員はみな日本語が堪能だといいます。リュックをかついだまま店内に入り、警察官のような制服を着た女性に日本語で「予約していないが撃てますか?」と声をかけてみると、流暢な日本語で「予約は必要ありませんよ」。そのままロビーのソファーで待つように言われます。なるほどこれなら言葉の心配はありません。
 
ワタクシのあとに入ってきたやはり日本人のグループと一緒にその女性係員からシステムや料金の説明を受け、希望の銃やコースを申し込み、パスポートのチェックを受けます。パスポートがないと受け付けられないようですね。
 
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 韓国の男性は兵役があり、銃を撃つことは誰もが経験するようです。やってくる客はほとんどが日本人のようですね。店内に貼られたポラロイド写真の中には日本人タレントの写真がたくさんありました。
 
 女性係員の説明を受け、ワタクシは3種類の銃を撃つコースを申し込み10万ウォン(=6900円)を支払います。ちょっと高いような気もしますが、日本では出来ない経験ですので思い切って申し込みました。
 
準備ができるまで少し待ったあと、今度は男性係員から防弾チョッキと耳あてをつけてもらいます。防弾チョッキなんぞ身に着けるのはもちろん、見るのも初めてなので、これだけで一気に緊張してしまいます。実際に防弾チョッキを身につけるとその重さにこんどはビビリそうになってしまいました。
 
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 いよいよ射撃室に案内され、銃の基本的な取り扱いの説明を受けます。が、隣ではすでに射撃を開始しており、耳充てをしていても響き渡る銃声の大きさに思わず身体が「びくっ」となってしまい、咽喉がカラカラになってきました。
 
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  まず最初にデザートイーグルという大型拳銃を撃ちます。
 
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とち狂った客が他の人間を撃つことができないよう、拳銃の引き金を覆うトリガーガードに金具が取り付けられ両側の壁から鎖でつながれています。それでも銃の重さは十分に感じます。
 
 
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                             konestホームページからいただきました
 
 右手で銃把を握り人差し指を引き金にかけ、左手も添えて両手で構えるように言われます。緊張のあまり左の親指をつい遊底の後ろに廻して構えてしまい、係員から「おやゆびきけん」と注意を受け、左の親指を遊底から離して構えるように言われます。
 
 自動拳銃の場合、弾丸が発射されるとその反動で遊底が後退(ブローバック)するため、遊底の後ろに左親指を添えていると怪我をするからです。その後も2回注意されてしまいました。
 
自分では気がつきませんでしたが、へっぴり腰で構えていたらしく「せすじのばす」とさらに注意を受け、ますます緊張してしまいます。
 
 構えを直して照準を合わせ、7~8メートル先の紙の的を狙ってトリガーを引きます。
 
大きな爆発音と重い銃が跳ね上がる衝撃。
 
そして今まで嗅いだことのない火薬の匂い。花火のつんと来る軽い匂いではなく重苦しい焦げたような匂い
 
 たった一発打っただけでどっと疲れてしまいました。弾は的を大きくはずれどっかへ飛んでいってしまったようです。
 
 映画「ダイ・ハード」シリーズでブルース・ウイリス扮する刑事ジョン・マクレーンは転げまわりながら銃を撃ち続け、かなり離れた距離にいる敵を次々に倒します。しかし、実際に銃を撃ってみると「そんなに簡単なものではない」というのが実感でした。
 
 デザートイーグルの次は少し軽い自動拳銃のグロック17Cを撃ちます。    、
 
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最後は大型のリボルバー式銃のルガーKGP 141 357マグナム を撃ちました。
 
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 最初は的から大きく外してしまいましたが、何発か撃って慣れてくると少しずつ狙った方向に弾が集まるようになりました。
 
 どれくらいの時間がたったのか、全部で25発くらいの弾を撃ったあと、残ったのは残念ながら爽快感ではなく疲労感でした。
 
 その昔月光仮面七色仮面は男の子たちにとってヒーローであり口で「バーン」「バキューン」などと音真似をしておもちゃのピストルで遊びました。そうした男の子ならいつかは本物の拳銃を撃ってみたいと密かにあこがれたものです。
 
 しかし実際にこうして撃ってみると、その衝撃に恐怖感のほうが達成感を上回ったような気がします。この年になるとやはり「拳銃は人を殺傷する凶器である」という思いが先に立ってしまうようです。
 
終了後ロビーで待っていると名前を呼ばれ、係員から撃った紙の的を貰いました。最初に撃った的は大きく外れており71点で失格。2枚目は92点で合格だそうです。この的と射撃場のブリキのバッジをお土産に引き上げます。
 
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・・・とにもかくにも2泊3日の弾丸ツアーでの「撃つ」というテーマは達成したようです。(つづく)