12月23日 コルカタ 7日目(バラナシ1日目)
コルカタ7日目。
今日は早朝5時に宿を出て車でチャンドラ・ボース空港へ向かいます。
あたりは真っ暗。かなり寒いです。車の手配はS氏にお願いしていました。5時にホテルの前に出てくるとS氏と市内観光で運転してくれたムスリム氏がすでに待っていてくれました。
ムスリム氏の運転するTATA社製のごつい車にS氏も乗って出発します。途中でS氏を彼のアパートの前で降ろします。こんな早朝なのにS氏は見送りに来てくれたのですね。ありがたいことです。
さすが夜明け前のためにいつもなら渋滞している道もガラガラです。どの辺だかわかりませんが、途中でムスリム氏が車を止め、暗いうちからやっている店のチャイをご馳走してくれました。
たった一杯のチャイで体があたたまります。そして驚いたことにムスリム氏も日本語が達者であることがわかりました。
てっきりヒンディー語しか話せないと思い込んでいたのですが・・・。市内観光の時のワタクシとS氏の話も全部わかっていたんですね。
空港には5時30分頃に到着します。
デリー行きのSG608便は午前7時30分発ですが、すぐチェックインできました。
旅行会社のH氏が手配してくれたのはスパイス・ジェットという航空会社のデリー行きの便でした。初めて聞く航空会社ですが、如何にもインドらしい名前ですね。
インドの空港はボディチェックがやたらと厳しいです。全員がボディチェックを受けなければなりません。ボディチェックが済むと搭乗券にスタンプが押されます。
機内持ち込みの荷物はX線検査が終わるとタグにやはりスタンプが押されます。ちゃちなタグなのではずれてしまうこともたまにあります。
搭乗時ターミナルビルからバスに乗る際に警備員が一つ一つこのタグをチェックします。このタグがなかったり、スタンプが押されていないと搭乗できず、もう一度X線検査を受けなければなりません。
それはCAも同じで、荷物のタグがはずれてしまったCAがX線検査に再度行かされているシーンを目撃したことがあります。
コルカタの街はボロボロですが、さすがに空港ビルはきれいなものでした。
いつもは通路側を希望すると後ろの方の席になるのですが、今回は前の方の席でした。
水平飛行に移ると名前を確認されたうえで前の席の人だけ朝食が配られました。。
どうやら旅行会社のH氏が手配していたようで、食事を予約した人は配膳の都合で前の席に座るようです。メニューはカレー味の炒め物にチャパティと果物でした。
機内誌の表示を飾っているCAがたまたまワタクシたちの飛行機に勤務しているということで、乗客に次回予約50%オフの割引券が配られました。写真の前列で腰かけているCAが搭乗していました。面白い企画ですね。
約1時間10分くらいでデリー空港に到着です。
国内線ですので荷物をすぐに取り出したあと、隣のターミナルビルまで歩いて移動します。首都の空港らしく搭乗待合室は乗客でいっぱいです。
デリーからは午後1時25分発の便でバラナシに向かいます。いったんターミナルビルから出ていますので、手荷物検査やボディチェックはもう一度やり直しです。
搭乗口で乗客に応対していたスパイ・ジェットの男性職員が、気が付いたら客室乗務員として乗っていました。LCCは経費削減のためにこういうところも徹底しているようですね。
デリーからバラナシまでは約2時間。バラナシ上空は霧なのか靄なのかわかりませんが、とにかく霞んでいました。
地上に降りてもやはり靄がかかった状態です。
写真を撮りながらターミナルビルに向かって歩いていたら、また警備の警官に注意されてしまいました。
この警官は機関銃を携帯しています。もちろんおっそろしいのですぐ撮影をやめました。
バラナシ(ベナレス)といえば聖なるガンジス川(ガンガー)のほとりの街です。
ガイドブック(地球の歩き方)には・・・
「列車に乗っていこうと、バスだろうと、自前の足で歩いて行こうと、おびただしい人々と、その間を運ばれていく死者たちに迎えられて、旅人はこの世界の底にある町に入り、永遠なるガンガー人全身を浸すことになる」
とバラナシの街を形容しています。
コルカタはゴミに全身を浸していたような街でしたが、バラナシもなかなか手ごわそうですね。
バラナシに来るにあたって、市街地ではなくガンジス川のほとりのガート(川岸の階段)に近いと思われる宿をとりあえず4泊分予約し、空港までの送迎も頼んでおきました。
4日後からどうするかはまだ決めていませんでした。
空港で迎えの車もすぐ見つかり、宿に向かいます。
空港を出てからしばらくはスイスイ進んでいきましたが、市街地に近づくにしたがって道路もでこぼこになり、リキシャやオートリキシャ、さらに牛や歩行者がひしめき合っている道を進みます。
運転手は「インドでは車の運転はドライビング・ゲームのようなものだ」と言います。
クラクションをひっきりなしに鳴らしながらハンドルを右に左に切って車・人・牛を避けて進む様子はまさにゲームのようです。
続けて彼はインドで運転するには3つ大切なものがある、と言います。
1つ目は・・・GOOD HANDLE
2つ目は・・・GOOD HORN
そして3つ目は・・・GOOD LUCK!
人と車と牛でひしめき合っている道を気が狂ったようにクラクション(Horn)を鳴らしながらも無事通ることができたのは、たしかに運が良かったと思わざるを得ない、そんなひどい道路事情の中を1時間30分くらいかかってやっと宿に到着しました。
宿に着きチェックインの手続きで、やはり父親の名前を宿帳に書き込みます。
手続きが終わるとフロントのボスのR氏からツアーの提案がありました。
今夜メインのガートであるダシャシュワメード・ガート(メイン・ガート)のヒンズー教の儀式の見学・明日早朝のガートのボート遊覧・朝食後バラナシ市内観光および近郊にある仏教聖地のサルナート観光(車で案内)というセットのツアーです。
R氏は全部で3000ルピー(6千円)で提供しているがどうか?と尋ねてきます。
引き続き足の痛みもあります。
まだ街の様子もまったくわかりません。
値段も法外と思えるほど高くはありまでん。
一瞬の間考えたあと、案内されるのも悪くあるまい、と思って申し込みます。
するとR氏は今夜の儀式の時間が迫っているのであと30分で出発すると言います。
慌てて部屋に荷物を運んでもらいシャワーだけ浴びます。
30分後にフロントに降りスタッフに案内されて薄暗い中、どこを歩いたかよくわかりませんが宿から5分ほど歩いて大きな川にでました。
川岸で待っていたボートに乗り込みます。
お客はワタクシ一人だけ。ターバンを巻いた漕ぎ手のおじさんは英語は単語をいくつか言えるだけ・・・。それでも一所懸命「あの建物は○○だ!この建物は△△だ!」と説明してくれます。
ガンジス川に恐るおそる手を入れてみると意外に冷たい水でした。特に臭い匂いもしていない感じです。
ゆっくり漕ぎながらでしたので45分くらいかかってひときわ明るい場所に出ました。
ここがメイン・ガートのようです。川岸の照明の下でインド風の音楽とお経?が大音響で響き渡る中、赤い装束の男性5人が何やら儀式のようなことをしています。
川岸はあちこちから集まったボートでいっぱいです。ワタクシと同じような観光客なのでしょう。
儀式はロウソクや煙や鐘を使って賑やかに進行していきます。陸上でもたくさんの観客が儀式を見つめています。
神秘的という感じもしますが、どちらかというと陽気な感じのする儀式でした。