プーリア州散歩行 ⑤雪のマテーラとサッシ その1
(この記事は1月10日から1月21日までのイタリア旅行の記事です)
1月12日(木)
午前中に到着したマテーラ中央駅のホームは地下にありました。地上に出ると道にはかなり雪が残っていました。
街の中も車道や歩道の真ん中は少し除雪されていますがまだかなり雪が残っており、しかも朝方は凍っているので石畳の道は滑るのでゆっくり歩かなければなりません。
Booking.comで予約したこの日の宿はマテーラの旧市街の中心であるドゥオーモのすぐそばにあるようです。
事前にgoogle mapで場所は確認しています。しかし毎度のことですが実際に現地で宿にたどり着くまでには文字通り「滑った転んだ」といろいろなことが起きるのを経験してきました。
電車の行先の件で懲りたので、とにかく道行く人に尋ねまくって宿まで進むことにました。
ところがマテーラでも街の中では英語がほとんど通じませんでした。かつて歩いた大きな街では、それなりに英語が通じましたが、南イタリアの小さな街ではどうやら状況が違うことがだんだんわかってきました。
Mi dispiace, non capisco.( I'm sorry I don't understand.)
と言うのみです。
やむを得ず、もう忘れかけた怪しげなイタリア語で「ドゥオモ ニ イキタイアルネ…」と改めて尋ね直すと、彼女の表情がパッと明るくなり、機関銃のような早口のイタリア語で手振りも交えて熱心に教えてくれます。
もちろん意味が分かったのはdiretto(まっすぐ)とかsempre giu(このまま…)とか数語しかありませんでしたが、思いっきりの笑顔でGrazie!とお礼を言い、また少し進むと別の人に尋ねるのを繰り返し徐々に目的地に近づいていって、ようやく宿にたどり着くことができました。
この日のお宿は
Via San Potito 7 ,Matera
1泊朝食付 61.2ユーロ(別途宿泊税2ユーロ)
16世紀ころの有力者の建物を改造したそうで、石造りのかなり大きな建物でした。こういう宿に泊まるのは初めての経験でした。場所はドゥオモのすぐ近くなので旧市街でも一番高い所に位置していました。
本来のチェックイン時間にはまだ時間がありましたが、フロントの若い男性は快く部屋を用意してくれました。彼は英語も堪能で「マテーラにこんなに雪が積もるのはユニークだ。あなたはラッキーだ」と言ってくれました。
案内された部屋はそれほど広くはありませんでしたが、清潔でシャワーもトイレもきれいに掃除されていました。
そして明るい陽射しが入っていた窓からは世界遺産の街マテーラの象徴「サッシ」を眺めることができました。
マテーラのサッシ地区にはSassi BarisanoとSassi Caveozoの二つがありますが、部屋から見えたのは後者のようでした。
荷物を整理し、フロントで旧市街の地図を貰ってから雪の積もるサッシの街に散歩に出かけます。
すぐそばにあるドウオーモの広場からはSassi Barisano地区を眺めることができました。
お昼時になっていたのでフロントでいくつかレストランを教えてもらいました。散歩の途中でお店を探しましたが、やはりシーズンオフだったせいか閉まっていました。
そのままぶらぶら街を散歩しながら、結局少し下ったVittorio Venneto広場まで出て、穴倉のような19a Bucaというお店を見つけ、白ワイン500mlとこの地方独特の形をしたカヴァテッリという名前のパスタとコーヒーをいただきました。お値段は14ユーロでした。
おなかもいっぱいになったのでいったん宿に戻ります。
フロントには別の男性がいたので、眺めがいい場所を尋ねると、なんと宿の屋上からの眺めがいい、と教えてくれました。
早速上がってみると実に素晴らしいパノラマが広がっていました。
屋上からはすぐ目の前にドゥオーモの鐘塔が迫ってきます。
この屋上からは夜には星空と今まで見たこともないような大きな月を眺めることもできました。
またマテーラに来ることがあるならぜひまた泊まってみたい宿ですね。