イスタンブール散歩行 16 トプカプ宮殿見学
ようやく平静を取り戻し入口近辺に戻ってトプカプ宮殿の見学を始める。冬の平日の朝のため、見学者も少ないようだ。
域内は庭園とたくさんの建物に別れている。有名なハーレムは午前10時の開館なのでまだ見学できないため、適当に他の建物に入る。
域内は庭園とたくさんの建物に別れている。有名なハーレムは午前10時の開館なのでまだ見学できないため、適当に他の建物に入る。
最初に入った建物がこれです。
朝のアザーンは死者もたたき起こすような甲高い声で叫ぶように歌われるが、この建物に充ちている調べはまるで天国での眠りを誘うような、とろけるような気持ちのいいものであった。イスラム圏に来たのだ!とまたまた実感する。
ここは聖人の遺物が展示されている建物だった。
本当は撮影は不可なのだが、見学者もなく警備員がいないうちにProphet John (預言者ヨハネ?)のターバンや彼の腕の骨(!)を撮影。キリスト教の聖人とイスラムがどういう関係なのかはよくわからないが、ヨーロッパでは聖人の遺物の争奪戦がよく行われたようだからこれもその一つなのだろう。
ほかにはムハンマドの足跡(!?)や誰かの頭蓋骨もあったが、そのときは警備員がいたので写真は断念した。
館内をのんびり歩いていると建物中央のコーナーでターバンをかぶり、僧侶らしいひげ面の若い男性が部厚いコーランを朗誦しているところにでくわした。てっきり録音を流しているものと思い込んでいたコーランの調べは実は生演奏だったのだ!しばらくその姿に見とれてしまった。
聖遺物館を出て、庭園を散策する。庭園のつきあたりからは海を見下ろすことができる。今日は天気もよく金角湾やボスポラス海峡を遠望できる。行きかう船ものんびりしたものだ。
10時近くなったのでハレムの切符売場に出向く。入場料は10YTL。案の定ここも釣銭がないという。宮殿の切符で小銭を使い切ってしまったので並んでいる日本人観光客にお願いして両替してもらう。
ハーレムの見学は時間ごとにグループを組み、英語かトルコ語のガイドに連れられて決められた場所だけまわる、とガイドブックには書いてあった。しかし、この日はそんな制約もなく切符さえ買えば勝手に見学することができた。
内部はたくさんの部屋があり、装飾タイルが美しい部屋もたくさんあった。モーツァルトの「後宮からの誘拐」はオスマン帝国のパシャ・セリムに誘拐された恋人を主人公がハーレムに潜り込んで救い出すというストーリであるが、舞台はこんな場所をイメージしていたのだろうか。
ハ-レム内はあまりに部屋数が多くて救い出すにも迷いそうだ。
ハ-レム内はあまりに部屋数が多くて救い出すにも迷いそうだ。
宝物館は庭園のはずれにあり、4つの部屋に分かれている。順路を間違えていきなり第4室にはいってしまった。
ここには映画「トプカピ」で一躍有名になった「トプカプの短剣」が展示されている。
さらに漁師が原石を拾い、高価なものとは知らずにスプーン3本と交換したため「スプーン屋のダイヤモンド」という異名を持つ86キャラットの大きなダイヤモンドが展示されていた。
さらに漁師が原石を拾い、高価なものとは知らずにスプーン3本と交換したため「スプーン屋のダイヤモンド」という異名を持つ86キャラットの大きなダイヤモンドが展示されていた。
短剣はガイドブックの写真などでは糸でつるされて展示されていたが、実際には小さな座布団のうえに鎮座していた。そのため、これがトプカプの短剣であるかガイドブックを見せて警備員に確認する始末であった。
ダイヤモンドは握りこぶし大はあるかと思うほど大きなダイヤモンドである。実に怪しい光をはなつ。
これらの財宝を目にすると、天使といえども自分のものにしたい、などとよからぬ気持ちをおこしかねないのではなかろうか。
(ここは警備員がしっかりいたので写真を撮れず。残念。 トプカプ宮殿の公式サイトでどうぞ)
11時過ぎまでのんびりと宮殿を見学したあと、新市街に向かうことにした。
宮殿の入り口にはたくさんの小学生がいた。遠足に来ているようだ。彼らのそばを通りかかると子供たちから声をかけてきたので写真をとってやると子供たちが寄ってきて大騒ぎになっってしまい、引率の先生ににらまれそうだったのでそそくさの引き揚げる。 大人も子供も人懐っこさは変わらないようだ。
宮殿の入り口にはたくさんの小学生がいた。遠足に来ているようだ。彼らのそばを通りかかると子供たちから声をかけてきたので写真をとってやると子供たちが寄ってきて大騒ぎになっってしまい、引率の先生ににらまれそうだったのでそそくさの引き揚げる。 大人も子供も人懐っこさは変わらないようだ。