パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

かつての旅人もまた・・・

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 沢木耕太郎の「旅する力」を読みました。
 本屋に行くと何冊も平積みになってましたからよく売れているようですね。

本の帯には、


    かつての旅人へ、旅の途上にある人へ、これから旅立つすべての人へ。

 

 深夜特急<最終便>ついに刊行!


とあるではないですか。

  彼の「深夜特急」(文庫本版6冊)を繰り返し愛読しているワタクシにはとっては、買わないではいられない一冊でした。

    この本は彼が26歳のときのユーラシアの旅と「深夜特急」執筆・出版に至るまでのさまざまなエピソードが書かれています。


 「深夜特急」では彼の旅はロンドンで終わるのですが、実際にはその後も旅を続け、最後はアエロ・フロートの女性名義の片道航空券を使ってモスクワ経由で日本に帰ってくる(今では想像がつきませんね)など、その後も波乱万丈の旅が続いていたようです。

  
   また彼がルポライターとしてひとかどになるまでの自伝的な要素も含まれていて、往復の通勤電車の中で一気に読みとおしてしまいました。


   「深夜特急」にまつわるファンの話題のひとつに彼が香港で宿泊した「金宮招待所」がどこにあるのか、ということがあります。

 「深夜特急」の文章を字面で読む限りでは、九龍側の大動脈のネイザン・ロードには面していないので魔窟といわれていた「重慶大廈(チョンキン・マンション)」ではないと思っていたのですが、この本で

  ・彼がわざと場所をぼかして書いていたこと
       ・実際はやはり重慶大廈の中のゲストハウスだったこと
       ・「金宮招待所」ではなく実際は「金屋招待所」というゲストハウスだったこと
が明確にされ、長年の疑問が氷解しました。
 
 彼の単行本は「一号線を北上せよ」以来なのですが、またまた旅に出たくてうずうずしてきましたが、
いつのことになるでしょうね。