パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

地球の歩き方の歩き方…??

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 新聞の広告を見たとき、新しいシリーズが出たの?でも誤植なのかな?と一瞬思ってしまいました。

 
 このややこしいタイトルの本は「地球の歩き方」の創刊に関った人達に100時間を超えるインタビュ

ーを重ね「地球の歩き方」が生まれて現在に至るまでの、いわば生い立ちを一冊の本に構成したもので

す。


 「地球の歩き方」の発行元であるダイヤモンド・ビッグ社はもともと就職情報雑誌の発行社としてスタ

ートし、高度成長期に内定学生の繋ぎ止め策として卒業前に学生を海外研修に連れて行くことを企画し、

それが発展して大学生向けの海外研修旅行DST(DST:ダイヤモンド・スチューデント・ツアー)を

企画販売し同社の業績に貢献したそうです。



 その旅行説明会でいつしか参加者に配布されるようになったオマケの冊子が今の「地球の歩き方」シリ

ーズにつながったんだそうです。



 まだ海外旅行にでかける人数が今ほど多くない当時、海外旅行の情報は大手旅行会社に独占(例えば、

パスポートは旅行代理店を通さないと取得できないものと海外旅行客は事実上思い込まされていた…)

され、パッケージ・ツアーでなければ(安全な)海外旅行は不可能であるという神話が作り上げられてい

ました。



 創業に関った彼らは旅行業界については素人だったけれども、実際に個人で海外を歩き回った経験があ

り、素人だからこそこうした旅行業界の「常識」に疑問をいだき、個人の安全な自由旅行が可能であるこ

とを「地球の歩き方」を通して学生(創刊当時の読者ターゲットは学生向けだったのですね)に訴えかけ

たのですね。


 そして、実際に「地球の歩き方」をもって旅にでかけ、生の感想や情報をダイヤモンド・ビッグ社に投

稿し、なかには記事を執筆することになった学生たちが、どんどんふえていくことで海外旅行を大手旅行

会社から個人の手に「解放」していったのですね。



 創業当初は裁判沙汰になったりいろいろ困難もありましたが、おかげでワタクシのように言葉が不自由

でもなんとか一人で海外散歩できるのもこの本のおかげです。



 競合するガイドブックもたくさんありますし、旅慣れた人からは「地球の迷い方」などど揶揄されるこ

ともあるようですが、細かいところまで情報が載っているこのガイドブックは、依然として海外個人旅行

の力強い味方だとワタクシは思います。