パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

2006年1月8日② カオサン通り徘徊

    ( この旅日記は2006年1月にバンコクを一人旅したときのものです )
 
 朝食も済ませ、準備万端整ったので、いよいよチャイナタウンへ向かう。駅の正面玄関からヤワラー通りへ向かう。駅を背景に写真を撮る。イタリア風の建築ということだが、規模はそれほど大きくはないようだ。
 
 激しい車の往来の間をかいくぐって道路を横断したり、少し迷ったりしながらもなんとかヤワラー通りにたどりつく。
 
 街角では人々が膝まずき、米や食料をオレンジ色の衣をまとった僧侶に寄進している姿をそここで見かける。僧侶の無表情とは対照的に全身に敬虔さをみなぎらせ、僧侶に向かって頭をたれて熱心に祈る人々の姿が印象に強く残った。朝の柔らかい日差しにその姿も映えてすがすがしい。
 
 ヤワラー通りをふらふらと歩いて西へ進むと、だんだん中国語の店の看板が増えてくる。パンダバスの車窓から見かけた「…金行」という看板が目の前に迫ってくる。 
通りで見かける人も中国人が増えてくる。もっともタイ人と中国人の見た目の区別は小生にとっては難しいのだが…。
 
 ひときわ混雑した路地に出会うところで左折し、少し歩くとさらに猥雑な東西に通る屋根つきの狭い路地に出会った。まだ朝8時前だというのに狭い道の両脇の店は開店しており、中国人がウントコショ往来している。ここがサンぺーン・レーンである。
 雑貨の店が圧倒的に多い。ところどころ屋根が途切れたところが南北に路地が交差しているところで、そこには食べ物の屋台がいっぱいあり、クモクニマツリな臭いを撒き散らしている。このあたりはそれこそ街中ウヒョヒョな臭気の塊なのだろう。だんだん鼻も麻痺してきた…。しかし、こんなに沢山の人が朝早く、どこから湧いてくるのだろうか。
 
 西へどんどん歩いていってもきりがなさそうなので、途中で路地を北に折れ、再度ヤワラー通りに出る。圧倒的な中国人パワーを見せつけられて少し疲れてきた。広いヤワラー通りをバスが行くが、スピードが早くて番号を読み取れない。行き先表示もタイ語なのでさっぱりわからない。
 
 トボトボと歩いていると、すぐ先の路地から4人連れの若者が出てきて流しのメーター・タクシーをつかまえてどっかへ行くのを見かけた。それを見て地元の人が気軽に乗るのならきっと安全なのだろうと思い、「地球」で読んだとおり、左手を下のほうに突き出して、タクシーをとめて乗り込む。
 
 「カオサン・ドオリ・ヨロチク」と英語で言ってみるとちゃんと通じた。運ちゃんはすぐにメーターを倒してスタートする。初乗りは35バーツ(約95円)と安い。
 10分くらい乗っていただろうか、ちゃんとカオサン通りに到着。メーターは39バーツを示していたが、40バーツを渡し、釣りは貰わずに自分でドアを開けて外に出る。これで100円そこそこなら随分と安くて便利な乗り物である。シドニー以外ではタクシーは乗ったことがなかったが、これはよい。もっともバンコクでもメーターのついていないタクシーもあり、それは値段交渉がやっかいでトラブルも多いというが…。
 
 気を良くしてカオサン通りをぶらつく。カオサン通りは東南アジア最大の安宿街であり、バックパッカーの聖地のひとつといわれる通りである。道幅は以外に広く距離はあまりない。両側に飲食店、旅行代理店、そしてゲストハウスなどの安宿が軒を連ねている。安宿は通りに面しているだけでなく、通りから通じている狭い路地にびっしりと建っているようだ。一泊200バーツ(約540円)以下の宿も珍しくないはずだ。ドミトリーならもっと安いかもしれない。
 
イメージ 1
 
 まだ朝早いのに飲食店は開店しており、その一軒に入る。アメリカ人の若者が酒を飲んで陽気に大きな声ではしゃいでいる。その傍に座ってビールを注文する。ウエートレスは若いタイ人の女の子だ。
 ハイネケンの大瓶を注文。100バーツ(約270円)である。ウェイトレスがビールと大きなグラスを二つ持ってきた。自分も飲みたいのかな?と勘違いしそうになったが、要するに瓶をすぐに回収するので大瓶だとグラスが2つないと注ぎきれないのだ。日本のように瓶をそのままおいておく習慣がないようだ。
 
イメージ 2
 
 
 若者の笑い声や大音響のロックミュージックが、扉のない店先からカオサン通りに流れていく。
 
 思えば、もっと若い時であれば体力もあり、ゲストハウスのベッドが少々寝苦しくても、南京虫やノミがいても我慢して宿代を浮かして長い旅をしただろうが、今の状況では難しい。せいぜいこうしてゲストハウスの周辺をうろつき、その雰囲気を垣間見ることで満足なのである。香港の重慶マンションしかりである…。てなことをぼんやり考えながらちびちびとビールをなめる。
 店にはビリヤード台もあり、何人かが遊んでいる。見る限り白人が多い。日本人や黒人はいないようだ。
 
 店を出て通りをさらに散歩する。朝早いためか写真でみたように大勢が行き交うという状況ではなかった。なんとなく街中にかったるい、というか倦怠感が漂っている気がする。ここに何日もとどまっていると「沈没」してしまい、旅の目的も忘れてしまうのだろう