パパグロッソの街歩き・一人旅

リタイア組です。身体は太いですが、ブログは細々と続けていきます。

北京散歩行④ 2日目 故宮博物院見学

 いよいよ故宮博物院紫禁城の見学開始です。
 開場時間の頃にはかなりの数の観光客が集まっていました。ご覧の通り帽子をかぶり、旗を持った人に先導されるグループが沢山入場してきます。もちろんここも手荷物はエックス線検査が必要です。
 
 ほとんどが中国人の観光客のようです。中国語に堪能な人なら、彼らが大声で喋っているので、お国訛りでどの地方から来た人たちなのかすぐわかるんでしょうね。
 
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  故宮は東西南北を堀に囲まれ、東西約750m、南北約1000mの長さの城壁で四方を囲まれており、ガイドブックによると「故宮の面積は約72万㎡。その中に約15万㎡を占める大小の建物があり、その部屋数約 9000」とも言われているそうです。とにかく「アイヤー!広い!」の一言につきます。
 
 本来なら時間をかけて丹念に見学したいところですが、なにしろ実質2日間しかない強行日程なので約1時間半をかけて急ぎ足で見学するにとどまりました。
 
 故宮の観光は南から北に向かって進んでいきます。宮廷の公式の場所である外朝から皇帝一家のプライベートな場所である内廷に向かって進んでいくことになります。建物の屋根瓦はオレンジ色に整然と統一されています。まるでシエナフィレンツェの旧市街のようですね。
 
 
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 大きな建物の前にはかならずといっていいほど龍を彫刻した階段が設置されています。建物の欄干をはじめあちこちが龍の彫り物で飾られています。龍は皇帝の象徴なんですね。
 
 
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 残念ながら春児にもイエホナラの女にも出会えませんでしたが、凛々しい表情の弁髪ボーイを見かけました。教育が行き届いているので五星紅旗をしっかり持ってます。
 
 
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  建物や門にはその名前を書いた額が掲げられてますが、右側の文字は満州文字だそうです。清朝満州が発祥の地でしたものね。
 
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 建物の屋根の庇の先にいろんな動物の彫刻がかざってあります。日本ではあまり見かけたことはありませんね。初めは気がつきませんでしたが、優れもの音声ガイドのお陰で気がつきました。ただ、どういう由来かは忘れてししまいましたけど・・・。
 
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 内廷への入り口まで来たときまでに結構時間がかかったのでそのまま北へ進まず、外東路というエリアに進みました。 ここは宝物殿である「珍宝館」があるので別に10元の料金が必要でした。
 ケチンボのワタクシも「国際秘宝館」とか「珍宝館」とかいう名には抵抗力が弱くなるようです。
 
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 服務員に切符をもいでもらって最初に見えるのがこの九龍壁です。長さ29.4m、高さ3.5mの瑠璃装飾の壁に9匹の龍が描かれています。完成したのは1763年、乾隆帝の治世の頃です。ガイドブックによると「中国ででは九は最大の陽数であり、五は中央の陽数であることから天子の尊さを表すと考えられていた」そうです。九龍壁は270個の瑠璃片でできていて、これも五と九の倍数になっているそうです。
 
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 これは左から3番目の龍です・・・お気づきでしょうか?
 
 
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 この龍のお腹の部分には瑠璃片ではなく、木片が嵌められています。
 
 
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  ガイドブックによると「製作時に不注意で瑠璃片を壊してしまった職人達が死刑を恐れて彫刻木片を塗装して隠蔽したもの」だそうです。今は塗装の色があせ、木片も乾燥で縮まっているのですぐインチキだとわかりますが、完成当時はうまくごまかせたんでしょうか。
 
 北に進んでいくと玉や珊瑚を使った彫刻品を陳列している建物が並んでいます。
 満州事変の頃、国民政府は収蔵文物の多くを北京から南方へ疎開させましたが、日本の敗戦後の国共内戦の激化で文物は北京に戻れず、国民党が台湾に逃れたのに伴い、一部が移送されため、台北にも故宮博物院ができたのでした。
 台北故宮博物院では玉でできた白菜やまるで本物そっくりの石でできた東坡肉に驚嘆しましたが、北京の彫り物もなかなかのもでした。
 
 
 ちょっとおどけた表情の珊瑚の獅子でしょうか。
 
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  大きな石に急峻な山道を登る旅人や風景が描かれています。墨絵の世界ですね。
 
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  外東路の一番奥に浅田次郎の小説でその存在を知った「珍妃の井戸」があります。「蒼穹の昴」にも珍妃が光緒帝の側室として登場していましたね。
 
 今回の故宮見学の最大の目標はこの井戸を見学することでした  
 
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 井戸の中は覗くことができないので今も地下に通じているのかは判りませんでした。珍妃という人はよっぽどスレンダーな人だったんでしょうね。ワタクシだったらきっと頭しか入らないほどの狭さです。
 安全のためなのでしょうか、太い釘を渡してあります。
 
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 そろそろ疲れてきたので絵葉書をお土産に買って出口に向かいます。途中で妙なもの―4つ星のトイレ―をみかけました。
 
 中国の公衆トイレには、ウン○がトイレ内のフロアのそこらじゅうに撒き散らされて足の踏み場もない身の毛のよだつトイレや、仕切りがなく大便器がずらりと並んだ「ニーハオ・トイレ」(用を足すとき丸見えで隣の人と挨拶ができる!? )など、きれい好きの日本人なら卒倒しそうな代物がある、と下川裕治の旅の本に書いてありました。しかし北京オリンピックを迎える中、少なくとも北京の公衆トイレは世界標準?に沿って整備された、と聞いていました。 それでもトイレにも4つ星があるとは初耳でした。
 
 
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  早速使ってみましたが、清潔ではあるものの、ごくごく普通のトイレでした。
 
  ・・・4つ星でこの程度のトイレ、ということは、ホテルにも2つ星や1つ星、ランク無しのホテルがあるように、そのランクのトイレはやはり相当なものであると想像されます。
 
 そげな恐ろしいものに出会わないことをトイレの神様に祈って旅を続けます。(つづく)
 
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